良い聞き手は、良い「壁」である
先日、行列のできるインタビュアー・宮本恵理子さんにインタビューされるという、大変貴重な体験をした。
当たり前だけど、宮本さんのインタビューがもう……雑談っぽさもあり、わたしの発言内容を押さえつつの深掘りもあり、タイムキーピングも完璧であり、気持ち良すぎてたくさん喋ってしまった。
これまでインタビューについてインタビューされたことがほとんどなかったので、「あなたにとって、インタビューとは?」という質問には結構悩んだ。
そもそも、わたしがインタビューライターになったのは完全に成り行き。
「なんか、たまたまなってしまった!!!」
ということで、もともとそんなに思い入れがあったわけじゃない。
でも、何だかんだもうインタビューライター歴も5年になろうとしている。早いねー。
ひよっこインタビューライターとして生きてきたけど、実はもうベテランの領域に入っているのかもしれない。
そんななかで、インタビューについてじっくり語るというのはとても新鮮だった。
お話のなかで、宮本さんが、「インタビュアーは、いかに良い壁になれるかが大事ですよね」と仰っていたのが印象的で。
こちらがショボい壁だと、話をうまく打ち返せないし、ツルンとした壁だと、一辺倒なボールしか返っていかない。
だからこそ、いろんな引き出しを増やして、いろんな経験をして、深みのある人間になってこそ、いろんな角度から深く掘っていけるようになるんじゃないかな。
そう考えると、インタビューライターって奥深いお仕事だ。
インタビューライターというのは、人によっていろんな定義があると思うけど、わたしにとっては、こういう話を言葉にしていくこと。
もっと言えば、人の話を聞いて、「いいな!」と思ったことを、シェアハピしていくことだ。
で、シェアハピをしていくには、こちら側の聞く力が必要なのである。
それを「壁」と称した宮本さんはさすがだった。
夜には別でSHElikesさんのインタビューライターにまつわるイベントがあったのだが、昼に宮本さんによってたくさん深掘りされたことや、ファシリテーターの方によってうまく言語化されたこともあって、スルスルーとお話しすることができた。
おふたりとも大変「良い壁」をお持ちだった。
ところで、どちらのイベントも同じようなテーマだったけど、話の中身はちょっと違った。
インタビュアー時点から聞くインタビューライターの仕事と、他業界から聞くインタビューライターの仕事。
そこにさらに、おふたりのお人柄も重なり、さまざまな角度からの質問が飛び交った。
同じ質問を用意したとしても同じインタビューになることは絶対にないのがまた、インタビューのおもしろいところである。
今のところ、わたしはこの職業がまぁまぁ気に入っている。未だに決して得意とは言えないのだけど。
そんな宮本さんによるインタビューの様子は、こちらのPodcastで聴くことができる。わたしが気持ちよく喋っている様子が丸わかりなのでぜひ。
「聞く習慣」発売中!
人見知りで他人にまったく興味がない私。インタビューライターを通じて得た「聞く力」を余すことなく詰め込みました。
・人と何を話したらいいのかわからない
・会話の合間の「シーン」が怖い
・人に興味がなさすぎる
そんな人たちへ。ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです!