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弱さを全力で肯定するところから、強さを知る旅が始まる
自分の強みというのは、自分が無意識にやっていることで、そこまで頑張ってもいないのに他人から「すごいね」と褒められるところだと思う。
自己理解ワークなどでは、過去の体験などから自分の「強み」を洗い出していくことが多い。
でも、最近では「自分のダメなところ」が強みに転換できる可能性があると知った。だから私は、書籍『書く習慣』の巻末のテーマに「自分の嫌いなところ」を入れてみた。
自分の嫌いなところ、つまり、ダメなところや苦手なことを書き出してみると、どんな気持ちになっていくだろう。
「何とかできそう」なものに対しては、「何とかしなきゃ」と思うかもしれないけど、さすがに生まれてからずっと付き合ってきた「弱み」に関しては、「諦めの境地」に達しているものもあるかもしれない。
わたしは、「諦めること」は「認めること」でもあると思っている。
「きっと何とかなる」と心のどこかで自分の弱さを認められないからこそ、諦められない。
「早起きができない」という苦手があったとしても、「目覚ましをたくさんかければ起きられるはず」「早く眠れば起きられるはず」と何度も試みては何度も失敗する。
「人と関わるのが苦手」だとして、「慣れの問題だと信じて、飛び込んでみよう」と笑顔を作って飲み会に参加しては片隅でカクテルをちびちびと飲む。
これを、いっそ「諦めてしまう」とどうなるのか。
「わたしは早起きが苦手です。だから、早起きしなくてもいい仕事に就いて、大事な予定は午後からしか入れません」
「わたしは人と関わるのが苦手です。だから、できるだけ関わる人数が少ない仕事、あるいは仲の良い人と仕事をするようにして、基本的にテキストコミュニケーション希望です」
という形に、「苦手を避けてラクになる方向」にシフトできるようになるのだ。
その結果として得られるのは「心地よさ」だけではない。自分の強みだ。
人と関わるのが苦手だったわたしは、早々に人と付き合うのを諦めてテキストコミュニケーションへと走った。noteで書いていることのほとんどは、自分が日々もがいていることや、苦悩の数々だった。でもそれが、誰かにとっては「共感できるもの」「勇気をもらえるもの」として受け入れられた。
そこで気付いたことが、「コンプレックスは晒すと強みになる」のだということだ。
そして、『書く習慣』は、「読みやすい」とよく言われる。今書いているnoteもそうだが、おそらく「読みやすい」はずだ。
でも、これは長年のあいだ、コンプレックスとしてわたしを苦しめていた。「簡単な文章しか書けない」というコンプレックスである。
でも、そんな自分の文章スタイルを認めて出し続けることで、「読みやすい」という強みが形成されていった。
書店に並ぶ書き方を説いた多くの本は名文を書くことを要求する。その点、いしかわゆき著「書く習慣」が要求するのは自分なりの文章を書くことである。書く習慣とは、自分なりの文章を書くことを楽しむ習慣とも言えそうだ。
— 良野均 (@3POvygGtbnkUEs6) February 20, 2022
いしかわゆき著「書く習慣」
— 良野均 (@3POvygGtbnkUEs6) February 20, 2022
この人の決して名文ではない文章にどんどん引き込まれる自分がいた。書かなきゃもったいないという気持ちにさせられる。書きたい人にとっては読まなきゃもったいない本である。
「名文が書けない」からこそ、「名文でなくてもいい」という安心感を与えられる、というのもあるのかもしれない。
薄々気付いているとは思うが、この世に弱みや苦手のない人間なんていない。でも、それをひた隠しにするよりは、「自分はこういう人間なのだ!」と晒してどんどん強みに変えてしまったほうが生きやすくなる。
わたしは重度のADHDで、「プロフィールにADHDと堂々と書けるのはすごいと思う」と良く言われるが、これだってある意味で「強み」に変えるために晒している。
「えぇ。わたし、時間を守るのも苦手だし、大人数だと口数減るし、マルチタスクできないし、物もすぐに失くすし破壊するんです。でも、それでも頑張って生きてるんです!」
という具合にオープンに自分の弱さを認めていると、見えてくるものがある。ADHDだからこその仕事ハックがあったり、同じくADHDで仕事に行き詰まりを感じている人に気付きを与えることができたり、得意なことが見えてきたり。
だから私は、弱さこそが、自分の強さを見つける鍵となると信じている。
もしわたしの言葉が信じられないのなら、コミュ障で人と話すのが苦手でほぼテキストコミュニケーションしかしなかった結果、「コミュ力はいらない」という結論に到達したキャスターの石倉さんによる本があるので読んでみてほしい。
弱さは強さに変わるのだ。
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