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「自分のためにやる」と「誰かのためにやる」って同じことなんだわ
「誰かのために頑張れる人」ってすごいよなー。
わたしなんて自分のことでいっぱいいっぱいで、まわりの人のことまで考えられる余裕がないし、「誰かのためにやる」って自己犠牲のようにも思えていたから。
自分とは関係のない隣県や隣国の人のことまで考えて、ボランティアや募金をできるような人って、ある種余裕のある人だと思っている。それこそ「自分ごと」のように考えられて、心配して、手を差し伸べられる。
崖っぷちでぶら下がっている人が、同じように崖っぷちでぶら下がっている人を助ける余裕がないように、ある程度両手が空いている状態じゃないと、そんなことできないんじゃないかと思う。
だから、チャリティーイベントを開いたり、ゴミ拾いイベントに参加したりと、社会貢献活動をしている人たちは、余裕があって徳が高い人なのだと感じていた。
最近、被災下で生き残るために必要な情報が詰まった「OLIVE」や、「東京防災ブック」などを手掛けられた太刀川英輔さんにインタビューをする機会があった。
そこでわたしが真っ先に聞いたのは、「自分の好きなものは作らなくていいのか?」ということ。なんちゅう質問をしとんねんという感じだけど、純粋に疑問だったのだ。
「社会のためになるデザインしかしない」という彼が、どうしてその思考になったのか。自分の好きなようにやったほうが楽しいんじゃないかと。
そこで、教えてもらったのはこんなことだった。
「エゴ」と「社会貢献」って矛盾しないんですよ。
ミュージシャンもはじめは「かっこいい曲作りたい!売れたい!」と思うかもしれないけど、次第に「音楽に貢献したい」という想いに変わっていったりするじゃない。
「自分がうまくいく目先の目標」で物を捉えても、意外とすぐに叶っちゃうかも。もっと言えば、最初からその先を大きめに目指したほうが、もっと早く叶いますよ。そう気付くと、テーマが大きくなってくるんです。
太刀川さんいわく、「自分のため!」ってやっても、意外とすぐに満たされてしまうとのこと。だから、最初は「有名になりたい」「登録者数◯万人までいきたい」というエゴでもいいのだそう。
とはいえ、共感を得るためにはエゴだけではダメ。だから結局、エゴを満たすためには誰かのためにやる、という方向にシフトしていくのだとか。
これ、わたしも身に覚えがある。
わたしがnoteに書いていることって、基本的には自分の欲を満たすものなのだが、(吐き出したいとか書き残しておきたいとか)それがまわりまわって誰かのためになっていて、それによってまた自分が満たされているということがある。
なぁんだ、エゴ始まりでもいいんだ! ちょっとラクになった。
それから、そもそも仕事が「大きな理由」であればあるほどやり甲斐があることを知った。
「デザイン」とは形をかっこよく作ること、でもある。でも、その先には、「なぜこの形だといいんですか?」という問いかけがあるんですよ。
そもそも理由がないものは作られないし、社会のなかで淘汰されていくもの。「オシャレだけど座り心地の悪い椅子」なんていらないでしょ?
となると、デザイナーの仕事は、本来の椅子の役割である「骨盤を支えて足を楽にする方法をかっこよく設計すること」になる。つまり、理由と手段はセットで提供されるんだよね。
だから、「何を作る」ではなく「何のために作るのか」という理由に答えていくことが、あらゆるデザインの手段にとって目的になるんです。
それが大切な理由であればあるほど、スケールが大きくなって、社会の話になっていく。「どんな理由だったら、本当に答えるべきなのか」を考えると、エゴで考えてたつもりが、必然的に「社会のため」になっていくんですよ。
デザイナーの場合は、答えるべき理由が大きければ大きいほど取り組むべきだし、それこそがかっこいい仕事なのだという。
仕事のやり甲斐は、「誰かが喜んでくれるから」「誰かのためになっているから」というところが大きい気がする。「お客さんの喜ぶ顔が見たい」というのは、接客業でも、調理業でも、営業職でも変わらないはずだから。
それが1人、2人、100人、5000人、地球規模…となると喜びはもっと大きくなっていくのかな。
ちょっと想像はつかないけど、そうやって、「誰かのために」「地球のために」いいことをしてると思えたら、すごく満たされるのかもしれない。
となると、やっぱり「自分のためにやる」と「誰かのためにやる」って大きく矛盾はしないのかもしれない。やる理由とか、やり甲斐を求めていくうちに誰かにとっての「いいこと」になるわけで。
だから、最初は自分のために全力でやっていいんだと思う。それが気付けば誰かのためになっていくから。わたしの日々の小さな創作も、積もり積もって誰かのためになっていたらいいな。
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