「無理だもん」から「なんとかなるっしょ」と思えるようになるために
割とすべてのことに対して「なんとかなるっしょ」と思う傾向にある。そして、「なんとかなるっしょ」と考えられると、生きるのがラクになると思う。
世の中には心配性の人がいるが、わたしだって別に全方位に対して「なんとかなるっしょ」と思っていたわけじゃない。
ただ、生きていくにつれて徐々にその領域が広がっていて、どの事柄に対しても割と満遍なくそう思えるようになっていった。
そして、「なんとかなるっしょ」思考は身につけることができる。
そのためにやれることは、「なんとかならなさそう」な状況を作ることだと思う。
たとえば、英語が喋れないから海外に行くのが怖い、という悩みがあったとする。そういう場合、大抵は自分のできる範囲で勉強をして、少しずつ自信を付けていくのだけど、わたしは英語力なんてゼロでもいいから海外に飛んでみることをオススメする。
実際、英語力が皆無に等しいまま、海外に飛ばされたとき、最初は絶望した。当時はスマホも持っていなかったので、電子辞書を両手でしっかりと持ち、トイレに行きたくなったら「Can I go to the bathroom?」と言おう!と頭の中で何度もシミュレーションした。
しかし実際には、流暢に喋れこそしないものの、ジェスチャーを交えれば大抵のことは伝わることを知ったし、文章にしなくても「bathroom」で通じたし、何なら紙に絵を描いて会話することもあった。
だからわたしは未だに英語が喋れないが、今海外に飛ばされても冷静でいられる自信がある。「なんとかならなさそう」なことを「なんとかした」経験があるからだ。
たとえば、恋愛。わたしは中学のときに付き合ってきた人が大阪に行くことになり、アメリカと大阪の遠距離恋愛になると知ったときはおいおいと泣いたものだが、それを経ているので今遠距離恋愛が始まったとしても全然動揺しない。「まぁ、別れるときは別れるし、なんとかなるっしょ」と思っている。
仕事においても同じだ。新しい仕事につき、「納期は2日後です」というオーダーをもらったとき、「いやそんなんできるわけないっしょ」と白目を剥いたが、まわりの人と協力しながら案件を進めた結果、「なんとかなって」しまった。それ以降は、いちいちタイトな納期に驚きもせず、粛々とこなすようになった。
「会社を辞めたら死ぬ」とも思っていたけど、いざ辞めてみて、一生懸命仕事をしていたら、「会社に所属してなくてもなんとかなるっしょ」なモードになっていた。
そして、最近得た「なんとかなるっしょ」は、旅行だ。これまで旅というのは、事前に航空券を取り、ホテルを取り、電車を予約し、行き先を決めるものだと思っていたし、ちょっとでも計画がズレると焦った。
でも、頻繁に旅をするようになった今、別に事前に航空券を取らなくても、当日でも普通に取れちゃうことがわかったり、その場で調べても「なんとかなる」経験をしてしまったので、「なんとかなるっしょ」になった。
そんなふうにして、さまざまなハードルを乗り越えてきた結果、大体のことは「なんとかなるっしょ」になっていったのである。
だって、なんとかなってきたんだもの。
でも、心配性な人は「そんなこと言ったって、実際になんとかならなかったらどうするのさ!」と言うと思う。そんな場合は、ふたつアドバイスしたいことがある。
ひとつは、小さな「なんとかならなさそう」なことにトライしてみること。
海外が怖いなら、まずは国内でひとり旅に出て、あえて安い宿に泊まってみるとか、最悪日本語が通じそうなところに旅してみる。
ふたつめは、「なんとかなる」っていうか「なんとかする」意識を持つこと。
実際、どうにもならない状況になって何もできずに泣くだけじゃマジでどうにもならない。でも、たとえば誰かに聞くとか、ググるとか、書くとか、頭をフル回転させて「なんとかする」方向に持っていけば、事態は好転することもある。
そうしてちょっとずつ「なんとかなるっしょ」の領域を広げていけば、いつか「なんとかなるっしょ」が口癖になる。
それは、「だって無理だもん」という口癖よりも、よっぽど可能性が広がる言葉だなと思う。(そしてまた、なんとかなるっしょの領域が増えるのである)