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結局「いいメディア」「いい記事」を作るにはどうすればええの? #カイシャの編集会議

最近インタビューライターの仕事を軸に、企業noteのコンテンツ作成や、採用インタビュー企画などをすることが増えたのですが、正直思うところがあります。

企業の真面目な記事を読んでもらうのって難しくね???

というわけで今回は、さまざまなコンテンツを手掛けるロフトワークスさんのイベントにお邪魔してじっくりお話を聞いてきたので、得た学びをシェアさせてください!

「とりあえずPV稼いどけばよくね?」→NO

コンテンツを作るにあたって、「いい記事ができたかどうか」の良し悪しを何で測るのか、というのはメディアに携わる人々がずーっと抱えている悩みです。

PVを積んだからといってCV(お問い合わせやインストールなど)が叶うわけではない。PVが低くてもいい記事はあるし、PVに対してたくさん「いいね」がつく記事もあるじゃないですか。

ってなると、じゃあ結局どこにKPI(目標数値)置けばいいの? という話になるわけです。

そこで、一度立ち返りたいのが、そのコンテンツで達成したい「目的」をはっきりさせること。そのうえで、「PVがすべてではない」というのを力説し、「新しい指標」を置く。

それは「いいね数」だったり、「読了率」だったり、メディアや企業によってそれぞれ違うものです。なかには、「PV×平均滞在時間=体験時間」という独自の指標を置くケースもあるそうで面白い! 体験時間っていい言葉だな。

クライアントには「この目標のためには、こんな記事があるといいよね」と丁寧にプレゼンしていくことで、一度PVという概念からは離れてもらう。

今回のイベント主催であるロフトワークさんでは、その一例として、「すでにあるコンテンツを活用しながら、価値を引き上げる」というのを紹介されていました。

具体的には、既存記事をまとめた特集記事を制作したことで、読者に価値が提供できて、組織としてのプレゼンスが向上したというお話。

・既存コンテンツを軸に再編集。コンテンツの価値に相乗効果
・達成したい目的は何か、実現に向けたコンテンツとジャーニー設計
・実践者だからこそ、実践を伝えることで独自性が生まれる

採用noteやコーポレートサイトって、本当に反響が得るのが難しいので、「実務内容を大事にする」ってすごく有効だと思いました。実践者だからこそ語れる切り口がある!

「なんでこの会社に入ったんですか?」に主軸を置くよりも、「この仕事の醍醐味って何ですか?」「広報としてやったインパクトのある施策は何ですか?」のほうが印象に残るし、読んでいて面白いよね。

「興味・知見→実践・提供価値を知る→CV」という流れは、覚えておきたいなと思いました。

インタビューでは“真芯”を捉えて深掘れ!

次に、コンテンツの核となるのがインタビュー!

私もインタビューライターとして、このパートはめちゃくちゃ前のめりで話を聞かせていただきました(笑)。おもしろいインタビューって難しいんだ、本当に。

これまでの多くの人の想いを言語化されてきたインタビュアー・くいしんさんは、「あらゆる人から本質的な言葉を引き出すための、問いの設定と真芯を捉える対話アプローチ」と定義されていました。

真芯とは、「人生のテーマ」のこと。

企業=ビジョンやパーパス
媒体=タグラインやステートメント
記事=タイトル
インタビュー=問い
宇多田ヒカル=母の不在

…というように、どんなことにも大きなテーマがあるわけです。特に企業などの場合は、必ずどこかで言語化されているはずなので、それを捉えてコンテンツを組み立てていくそうです。

「この人が大切にしていることは何だろう?」というところに焦点を当てると、必ずその人の価値観が付随してくるので、その人のことを好きになれるし、読後感が「何だかすごい大切なものを教えてもらった気がするな」と思えるので、小手先のテクニックを探るよりもコアを捉えるという考え方にはめちゃくちゃ同意! です!

ほかにも、くいしんさんがインタビューにおいて大切にしていることも教えてくださいました(永久保存版)。

①本当に聞きたいことを聞く(うまく本音と混ぜて、聞きたいことが聞けるように企画を立てる)
②忖度しない(いい意味で気を使わない)
→必要な真芯に向かって一直線にきくそれが本人のためになる。
③具体的に聞く。細かく聞く・忠実に聞く
④固有の感情感情の変化・ニュアンスを聞く

ほかにも、取材直後に「ここ良かったよね」「感動した言葉」などをライターや編集者さんとお話しをしたり、唯一無二なユニークな価値を見出しやタイトルにしていくなど、ベテランの方ならではの言葉がたくさん飛び出しました。

編集=コンテンツの編集に留まらない

時代(アルゴリズム)の変化により、継続が難しくなってきているメディア。

価値を実感し、「続く」メディアをつくるには…? ということで、どこでも地元メディア「ジモコロ」編集長・友光だんごさんと、長野の移住メディア「SuuHaa」編集長・藤原正賢さんがお話をしてくださいました。

2023年で8年を迎える「ジモコロ」では、「価値をいろんな形で可視化していく」ために、さまざまな施策を展開しているのだそう。

①クライアントとの信頼関係
→最初の関係構築が大事。リアルコミュニケーションの回数を増やしたり、イベントに呼んで熱量を伝えたり

②バーグハンバーグバーグとの両輪体制
→別メディア(オモコロ)からうまく流入できる、インターネットでウケるコンテンツが作れる

③インスタマガジン「Re:youth」
→記事を再編集し、インスタマガジンとして展開

④リアルでの接点を増やす
連動したイベントを展開・フリーペーパーの配布

印象的だったのが、とにかく「リアル」を大事にしているということ。リアルでのコミュニケーションが希薄になっている今だからこそ、地元の人に愛され、逆に尖ったメディアになっているのかも? と思いました。

続いて、「編集」で企業の新たな価値創造を行うために「SuuHaa」がやったことを、いろは堂の「おやき」を例に説明してくださいました。

いろは堂が2021年にオープンさせたオシャレなおやき工場。これまでの「お土産」としてのイメージを脱却し、おやきをもっと盛り上げたい!

…ということで、「SuuHaa」がやったのは、想いを引き出し、形にすること。

具体的にはチームを作ってプロジェクト化し、大切にしていることを掘り起こしてコピーを作り、クリエイティブ・デザインを制作し、トータルブランディング〜PRを担当。今やインスタでも人気のスポットになったのだそう。

え、なんかコンテンツ制作からズレてない? と思うことなかれ。この、「ヒアリング〜取材〜テーマを捉えていいアウトプットを作る」というプロセス、まんまメディアがやっていることと同じなんですよね。

そういう意味では、クライアントのやりたいこととやるべきことがズレている可能性を疑わないといけない。

「Webメディアを作りたい」と言っていたとしても、実際にはSNSの開設が適切だったり、リアルイベントが良かったり。

「SuuHaa」では、いろは堂さんと早めに飲み会を設定し、そこで課題をヒアリングしたのだそう。飲みニケーション、強しですね。

そんなわけで、90分をオーバーするレベルで盛り盛りの内容のイベントでした。コンテンツ作りは奥が深い。


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