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みんな絶対にやめる。だから、黙って続けるだけでいい。
4月から、声優の養成所に通っている。
少人数制のクラスで、20人くらいだ。
とは言え、このなかから上のクラスにあがれるのはほんのひと握り。せいぜい1人か2人だけだろう。
入所当初、そんな声優志望者たちがこの場に20人もいるという現実に打ち震えた。
全員が切磋琢磨する仲間であり、全員が敵だ。
決して安くはないお金を払い、貴重な日曜日の夕方3時間をレッスンに捧げている。
先日、ひとりのクラスメイトが教室を去った。
夢をあきらめたのだ。
でも、今回がはじめてではない。
この半年で5人、いなくなった。
もしかしたら諦めたわけじゃないのかもしれない。金銭的な理由や家庭の事情、あるいは他のオーディションに受かったのかもしれない。
それでも、
「続けること」が1番難しいのは事実だ。
はじめはみんな一生懸命がんばる。
自分は絶対に続けられる、そう強く思う。
誰か脱落すればいいのに、と願う。
でも、気付いたら脱落しているのは自分。
だから、絶対に何かを成し遂げたかったら、やるべきことはたったひとつ。
「続けること」。
誰よりもはやく、誰よりも高く、誰よりも完璧に、そうやってがんばるのも大事かもしれない。
でも結局、続かなければ何にもならない。
逆に言えば、続けることさえできればなんとかなる。何故ならみんなやめるからだ。
絶対に、絶対にいつかやめる。
現にわたしも一度夢を見ることをやめた。
だからこそわかる。
どんなことだろうが、続けたもん勝ちなのだ。
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