いろんな場所を訪れたら、自分のなかの解像度が上がった
1年というのはざっくりと「春・夏・秋・冬」の4つの季節で区切ることができるのだけど、2022年がもう3つめの「秋」まで過ぎ去ってしまったことにびっくりしている。
この2022年前半は、わたしにとって、1番旅をした時期となった。
フリーランスであるわたしは、「いつでもどこでも働ける」はずなのに、ステイホームも相まって、家で過ごすことが多かった。あるいは、出たとしても家のある神奈川県内か、仕事のある東京か。そのぐらいの移動距離だ。
それが、春と夏だけでこれまでに行ったことのないような土地にたくさん降り立つことになる。
兵庫、愛媛、広島、愛知、大分、富山、北海道、熊本、山形、新潟、岡山、香川、徳島、佐賀、岐阜…
兵庫県で神戸の街を歩いたり
愛媛県に1ヶ月住んでみたり
生口島や大三島などのしまなみ街道を満喫したり
広島の尾道のレトロな街を散策したり
別府で1週間ワーケーションをして温泉に浸かりまくったり
ずっと行きたかった直島や豊島でアートを楽しんだり
まぁまぁ長いあいだ、日本に住んでいるはずなのに、こんなにも素晴らしい場所があったのかと驚いた。
これまで何の疑問もなく、生まれ育った神奈川や、大学があった東京に住んでいたけれど、いろんな場所をまわっているうちに、「もっと自分にとって住み心地のいい場所があるんじゃないか?」と思い始めた。
日本ですらこんなに広いのに、世界はもっと広いのだと考えるとクラクラとしてくる。生きているうちに日本全国をしっかり味わうのすら難しそうだ、と旅をしていて思った。
今、35/47都道府県まで来ているけれど、いろんな場所に行っていると、自分のなかの解像度が上がった感覚がある。
もともとわたしは日本地図をあまり把握していないのだけど、自分の行った土地は覚えているので「このあたりかな?」というのがわかるようになった。
これって地図を眺めているよりもすごく本質的である。「青森はりんごがおいしいんだ」と本を読んで理解するよりも、実際に青森でりんごを齧って「おいしいな」と思うほうが自分のなかに沁み込んでいく。
取材相手から「愛媛出身なんです」と言われたら、道後温泉のぬるぬるとした泉質を思い出す。「へぇー、愛媛なんですね」でおわらないのだ。ちゃんと自分のなかに現地での体験が残っているというのはすごく大きい。
旅というのはいつでもできるのかもしれないけど、やっぱり何事も早めに体験しておくに越したことはない。
他人ごとに感じていた他県のニュースが、自分の訪れたことのある土地だと、自分ごとのように感じられてくる。
見えなかった世界が見えるようになるというのは面白いよ。
「秋の書くテーマ」を作りました
『書く習慣』発売1周年を記念して、秋を楽しむための書くテーマを作りました。
春夏の振り返りに、そしてワクワクする秋に向けてぜひチャレンジしてみてください。