George Onslow ジョルジュ・オンスロウを聴く。
幅広いジャンルの楽曲をのこし、膨大な数の室内楽によって再評価されているジョルジュ・オンスロウの音楽をご紹介したいと思います。
心穏やかなひとときを過ごしていただけると嬉しいです。
アンドレ・ジョルジュ・ルイ・オンスロウについては、
オンスロウのwebサイト(←仏語、英語サイト)を見ると、
「フランスのベートーヴェン」と呼ばれているそうで、
ルイ・エクトル・ベルリオーズは、彼について、
「ベートーヴェン亡き後、彼は器楽曲の権威の象徴を手にしたひとりだ。」という、言葉を残したそうです。こちらが、そのサイトです。
wikiを見ると、
「幅広いジャンルの楽曲を遺したが、
こんにちではおびただしい数の室内楽によって再評価されており、
とりわけ「銃弾」という愛称のある弦楽五重奏曲第十五番が有名である。
(オンスローは、貴族のたしなみとして狩猟を趣味としており、その際の事故で聴力を失っている)」
と、書かれていて、彼が聴力を失ったことも、
ベートーヴェンと言われる由縁なのかな?と、思ったりしました。
また、この曲とシューベルトの五重奏曲について、
『モーツァルト―その人間と作品』でも知られる
アルフレート・アインシュタインは『シューベルト―音楽的肖像』に、
楽器編成はオンスロウの五重奏曲の一つが模範だった可能性が高いと書いています。(p.428)
「第二チェロは本質的には音の支持であって、
このことは再び、五重奏曲の一部において第二チェロの代わりに
コントラバスを使用することを許したオンスローとの関係を示唆する。」
と書いているのです。(p.429)
ふむふむ。
なぜその楽器編成を選んだのか、そのココロ(?)から解釈したという、
このアインシュタインの発想は、なるほどと、思います。
ちなみに、ドヴォルザークが、ずっと後(1875年5月初旬)に完成させた
弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 Op. 77(B. 49)も、
2つのヴァイオリンと、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのために作曲された曲であります。
それでは、それでは、カルテットを聴く前に、
その「銃弾」というクインテット作品38 を、聴いてみましょう。
George Onslow, String Quintet op 38 - I mov.
George Onslow, String Quintet op 38 - II mov.
George Onslow, String Quintet op 38 - III mov.
George Onslow, String Quintet op 38 - IV mov.
ものすごい大曲ですね。
三楽章の清澄な抒情性に、怒涛のドラマチックなラスト。
オンスロウの個性的なメロディーが耳に残る作品だと思います。
オンスロウのサイトによると、
オンスロウは、オーベルニュ地方クレルモン=フェラン周辺の民謡にインスパイアされて作曲し、
彼自身の曲もまた、同時代の人と後継者にいくつかインスピレーションを与えたのだとか。
「彼の四重奏曲には、オーベルニュの歌とブーレ(舞曲)が満ち溢れる。」
(アルフレッド・ドージェ、1850年10月7日)
と、言われてます。
それでは、オンスロウが影響を受けたという、
オーベルニュ地方の民謡をいろいろ聴いてみたいと思います。
フランス民謡を編曲したカントールブの「オーヴェルニュの歌」第1集から
このなかでも名高いと言われる《バイレロ》を聴いてみましょう。
マリア・バーヨです。
大自然に響き渡るような美声で、心が落ち着いてくるようです。
ヴェロニク・ジャンスが歌っている第1集も素敵です。
心地良い風がふいて、ラベンダー、ローズ、オレンジなどのかおりがしてきそうです。
第2集も。
とても沁みる旋律です。
もっとじっくり浸っていたいなと思わせる音楽ですが、
それでは、オンスロウが、
オーベルニュの民謡を取り入れたという作品を、
少し聴いてみたいと思います。
具体的にどのモチーフがどう活かされたのかを
知りたいかたは、こちらに楽譜付きで解説がありますので、
参考までにリンクを貼りますね。
http://george.onslow.free.fr/folk.html
George Onslow - Op.10(i) String Quartet No.10 In G Major
George Onslow : Quatuor Opus 10 n°2
最後に、このチェロ・ソナタを。
フォルテ・ピアノが、変わった響きで、
面白い演奏です。
オンスロウの曲は、
どこか懐かしいような、ちょっと切ない響きがあったり、
それでいて流麗で品があって、心が踊るようなリズムがあったり。
もし、演奏会があれば、
ぜひ聴いてみたいと思うのでした。
今日、お聴きいただいたオンスロウの動画は、
こちらの再生リストから、もう一度まとめてお聴きいただけます。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLPs5hIcasMKVV9n9uTGbWJpfrCCGFYOXa
よろしければ、お楽しみください。
膨大な数の室内楽で再評価されているジョルジュ・オンスロウの音楽、いかがでしたか?
このnoteでは、これからも室内楽を中心にご紹介できればと思っています。
よろしくお願いします。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。 これからもよろしくお願いいたします。