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将来の夢ができました

 もうすぐ受験も本番。私は特にやりたいことが有耶無耶なまま、受験勉強をしていました。将来のことを考えるだけで、「まだ学生でいたい」と泣きそうになって、勉強を投げ出してしまって、本当に無駄な時間を過ごしていました。
 しかし最近、志望学部をガラッと変えました。ここにきてです。理由は1つ。やりたいことができたから。将来の夢ができたからです。

 私の父は研究者で、私は幼い頃から「物事ひとつをじっくり考えて分析する」ことが好きでした。だから、レポートや小論文が大の得意で、文章を書いたり、人間観察をして記録したりすることが日課でした。
 小学生の時、伊野尾慧さんというアイドルに夢中になり、「オタク」という文化、人種に触れ、私自身もそうなりました。何かに熱中して、好き!と思える瞬間はとても幸せでした。
 中学時代は起業家育成のゼミに所属していて、ビジネスプランを考えることが好きになりました。「どんな計画なら市場が回るだろう?」「どんなアイデアなら面白いと思ってもらえるだろう?」そんなことを考えながら書く企画書ほど楽しいものはありませんでした。そこから漠然と「経営者になりたい」という気持ちが湧いてきました。大学も経営学部を志望していました。

 実は私はアイドル以外にも、芸人さんや、SNS発信されている服屋の店員さんや、バンドマンなど、色んなジャンルの「オタク」をしてきました。そこではとても楽しい思い出と経験がある反面、オタクをしていて辛いと思ったり、嫌でも無理やり推していたりしていたこともありました。SNSや掲示板を見て傷ついたり、こちらから他のオタクを傷つけてしまったり、意図していないことでトラブルが起きたり、理由は様々ですが、とにかく「オタクを辞めたい」と思ったことが何度もありました。

 高校生になって予備校に入ると、ある現代文講師と出会います。その人は哲学の研究を学生時代されていたアイドルオタクの人でした。その人の話を聞いて、「オタクを俯瞰で見る」「オタクとは何かを観察する」「『推す』という行動がどういうことなのかを分析する」ということにハマりました。私がnoteを書きはじめたのも、今の将来の目標ができたのも、先生あってこそです。この場を借りて言わせてください。本当にありがとうございます。
 すっかり「考える」ことの虜になった私は、経営学部から文学部哲学科に志望を変えました。理由はただひとつ。先生と対等に話せる知見が欲しかったからです。哲学科に行けば、一生考えることができる、そう思っていました。

 そして年末、ジャニーズカウントダウンに行きました。大好きな伊野尾くんに会ったと同時に、たくさんのオタクを観察していました。
 どのオタクも、推しと会える時は楽しそうで、幸せそうで、世界一かわいい、なんならアイドルより輝いている。そう思った私は、コンサートが終わってからずっと、公演後のオタクの幸せそうなインスタグラムを見ていました。
 しかし、私は思いました。きっとこの人たちも私と同じように、「オタクをやめたい」「疲れてしまった」と思ったことがあるんじゃないかと。大好きな推しを離れたいと、何かのきっかけで考えてしまうことがあったんじゃないかと。

 そこで、私はこう思ったのです。

「世界中のオタクを幸せにしたい」
「もっとオタクが輝ける世の中にしたい」

 私は、今のこの好きなことに全力で熱中しているオタクの笑顔をもっともっと増やしたい、そう思いました。
 私は哲学科から、文化政策、社会学部に志望を変えました。現代のSNS問題、ポップカルチャーについての問題を研究したいと思ったからです。
 今では「推し活」を称した様々なグッズが多方面で販売され、「推し活市場」は拡大しているように思えます。しかし、もしそこにお金を使ったことをオタクが後悔するようなことがあったら?たくさん集めたものも思い出も、嫌いになってしまうオタクがいたとしたら?私はそんな市場は回らない方がいいと思っています。オタクって、楽しくあるべきだと、私は思うのです。もっと楽しく、もっと輝いて、そしてその最終結果が経済効果になればいいのです。

 私の今の夢は、こうです。

オタクのオタクによる「オタクが楽しく生きられる」社会を展開すること

 研究気質な性格、オタクを俯瞰で見ることにハマったこと、そして経営を勉強していたことが一気に合致しました。

 夢に向かって、全力で頑張ります。

 こんな私と友達になってくれたオタクに恩返しをするためにも、喧嘩をしたり傷つけたり傷つけられたりして疎遠になってしまったオタクにお詫びの気持ちを込めるためにも、全世界のオタクが幸せになるために、前に前に進んでいきたいと思います。

 幸せになろうな、オタクたち。

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