君と死にまつわる話がしたい。

君は今まで死にたいと思ったことはありますか。
僕は時々夢を見ます。
あの時、あの教室の、あの席で、あの子から言われた、あの言葉です。
もう数年経っているのに、やけに鮮明に耳に響きます。
今でも心臓にズンと大きく響きます。
その夢を見た朝は、一瞬セーラー服のリボンの結び方が頭を掠めます。
私は今でも、君にその子の影を重ねます。
君がいつ、その笑顔を剥がすかに怯えています。
君がいつか、私に同じセリフを吐くことを、
心のどこかで、なぜか期待をしています。
そうなることが世界の理であることを信じています。

知っていますか。
君は僕に酷い仕打ちをするんです。
今までの幸せな日々は全部虚構で、
お前はそれに酔いしれていたんだと、
僕の肩に手を置いて耳元でわざとらしく囁くのです。
そうして、僕たちの思い出を、
僕だけの思い込みに書き換えて、
整えもせず、
金目のものだけ持って、
僕の前からいなくなるんです。

そう決まっているんです。
だって、世界はそうなっていると、僕は言われたんですから。
僕はその世界しか知らない。

だから、
僕は君と君と死にまつわる話がしたい。
君に多くの爪痕を残せるのが僕の死なら、
君が僕のことを美しく思うのが僕の死なら、
そうでなくても、
最終的に君たちが望むのが僕の死なら、
一緒に計画を立てて、
最後は君の耳に届く場所で、
君と歩いた道の、
君と並んだカフェの、
君と読んだ本の、
君と遊んだゲームの、
君が書いた手紙の、
時間をできる限り思い出しながら、

静かに。

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