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わたしは幸せ


「わたしは幸せ、だってこんなに親孝行な息子とよくできたお嫁さんがいるから」
義母はまたこのセリフを言った。いつもお話上手で楽しませてくれるが、この言葉が出ると胸の奥がザワザワする。

なぜ、ざわざわするのだろうか。
義母の言う「できたお嫁さん」とはどんな人なのか。
旦那さんを盛り立てて、決して出しゃばらず、3歩後ろからついてくる。
健康で家事も子育てもできて、仕事もまあできたらいうことなし。
旦那さんがいくら家を空けようとも、たくさんのお金を使おうとも文句も言わない。
そんなところなのだろうか。

最近、ざわざわの意味がわかってきたかも。
そうか、幸せは私の出来で決まらない。
そうか、幸せは自分が感じるもので、相手に願うことだ。
相手に預けられても、相手は困ってしまうもの。

あなたの幸せのために、生きているわけじゃない。

でも、
そんなことは義母に言ってはいけないから、
ただただ
モヤモヤ、ざわざわしていたんだな。

言葉にしちゃいけないと思っていたけど、もういいような気もしてきた。
お義母さんも自分のために生きていけばもっと気楽なのにね。

少しだるくて横になっていると、ふと思う。
私は死ぬ直前、自分が幸せだったと思うのかな、と。私の人生、よかったよ、と。

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