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ハイパースペクトルカメラの最新開発動向について

みなさん、こんにちは。
Milk.株式会社の中矢です。

今日は、ハイパースペクトルカメラの最新のトレンドについてお話できたらと思います。
とはいえ、一回で伝えられる内容は限られておりますので、今回の内容は『分光方式』のカテゴリー別でハイパースペクトルカメラの最新動向をまとめようと思います。

ぜひお付き合いください!

まずは現状販売が開始されているハイパースペクトルカメラの分光方式をまとめてみました。

ハイパースペクトルカメラに使用される分光方式一覧

各メリットとデメリットについては以下の記事によくまとめられていますのでご参照ください。


それでは、各分光方式ごとに最新動向をお伝えできたらと思います。


①ラインスキャン型のハイパースペクトルカメラ

こちらは元祖ハイパースペクトルカメラでも使用されている方式です。

ハイパースペクトルカメラは1970年代から人工衛星に搭載されています。
ご存知のとおり、一定スピードでほぼ直線状に進んでいきますので、ラインスキャン型で帯状に計測できるこの方式は、衛星からの計測にマッチした方式になっています。

これを地上で使用する場合は、対象物を直線的に動かすか、カメラ側を直線的に動かすための動作機構が必要です。

ただ最近は、この動作機構を一体化して、小型化したモデルが多く出てきています。Milk.株式会社の子会社であるIris株式会社が販売しているハイパースペクトルカメラもこちらのモデルです。
現時点で社、国内製のハイパースペクトルカメラの中では最もメジャーな方式となっています。

分光性能も高く、画質も高いままで安定して撮影ができるこのカメラは様々なシチュエーションに対応可能です。

現在はイメージセンサーの性能が向上したこともあり、紫外線や近赤外域も対応するモデルが出ています。
Iris株式会社(旧北海道衛星株式会社)でも4Kや8K対応のハイパースペクトルカメラを製作したこともあります。

また、動画撮影も可能な同機構のハイパースペクトルカメラも出てきており、今後もさらなる進化が期待されます。


②液晶チューナブルフィルター(LCTF)型

こちらも分光精度が高い方式ですが、ハイパースペクトルカメラ全体の中ではマイナーな方式です。

理由はいくつかありますが、分光する範囲が狭かったことと、分光部自体は小さいものの、カメラ全体としては大きな機構となってしまうことがあげられます。

しかし、最近になって、北海道の株式会社ポーラスター・スペースのようにスマホにもつけられる小型ハイパースペクトルカメラという形で開発された製品が誕生しています。
こちらは分光範囲も先ほどのラインスキャン型と同程度あり、液晶チューナブルフィルター型の欠点を克服してきています。

このカメラは1画像を撮影するのに時間がかかるため、動体計測には向いていませんが、固定点での撮影には非常に便利です。


③ファブリペロー干渉型

こちらの方式は分光精度が非常に高いため、研究室で分光に詳しい先生方が自作されるケースが多いハイパースペクトルカメラです。

しかしながら、その精度の高さから、熱や振動などの外部ノイズに弱く、実用化されたハイパースペクトルカメラは限定されています。

それでも、顕微鏡下での撮影など、限られた条件では非常に重宝されます。

この分光方式を採用している有名なメーカーは、カリフォルニア州に本社をもつTruTag社の子会社HinaLeaImaging社です。

量産化にむけてハイパースペクトル業界でもいち早く動いており、衣料品や医薬品へのハイパースペクトルカメラの応用を進めています。


④スナップショットモザイク型

近年実用化されているハイパースペクトルカメラの中では最新の分光手法です。
アメリカのimac社が開発したイメージセンサーを使用しているカメラが多いです。

実際はバンド数(通常の画像の場合はRGBの3バンド)が16バンドや25バンドという分光性能であり、ハイパースペクトルカメラというよりもマルチスペクトルカメラに分類されるかもしれません。

こちらは通常のデジタルカメラで撮影するように1回のシャッターでハイパースペクトル画像を撮影できるというメリットがありますが、分光性能を上げるほど解像度が下がってしまうため、用途によって使い分ける必要があると思います。

こちらもかなり小型化がすすんでおり、スマホ接続のモデルや、ハンディタイプのカメラがイスラエルの会社でも販売が開始されています。

このタイプはリアルタイム撮影にも強いため、ドローンでの活用を進めている企業も多く、さらなる軽量化が進んでくると予想されています。

これから主流となってくるモデルの一つだと思います。


まとめ

いかがでしょうか?
ハイパースペクトルカメラといっても様々な種類があり、それぞれが得意とする撮影シーンによって進化していっていることが少し感じられていたら幸いです。
海外でも年々新しい企業が出てきているので、また1年後には更新版の第二弾を出せたらと思います。
ぜひコメントもお待ちしております。









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