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ひとり

彼女は基本「ひとり」で生きています

もちろん友達はいます
ランチや飲み会に誘われたり
20年以上毎年旅行に出かける友達もいます
どちらかと言うと社交的で
周りからは「友達が多い」という印象を持たれています
でも彼女自身は「ひとり」を意識しています

彼女は早くに両親を病気で亡くしました
母親が息を引き取った時
彼女は自分が完全に独りぼっちになったと実感したそうです
それまで味わったことのない強烈な孤独感
完全に感覚が麻痺してしまったのではないかと思うほど
何も感じられない自分
人と話していても作り笑いしかできず
「心から笑うことはもう一生ないかもしれない」
と傍にいるもう一人の自分が静かに彼女に話したそうです

それから数十年
彼女の人生は紆余曲折の連続でした
挫折 屈辱 裏切り 後悔 喪失 自己嫌悪
様々な時を経て今の彼女がいます

彼女は「ひとり」を生きています


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