オスカーピーターソンとナットキングコールの約束
オスカーピーターソンとナットキングコールは大親友だった事で知られています。
そしてこの二人には大きな共通点があります。
それは二人とも素晴らしいピアニストでそして素晴らしいヴォーカリストで弾き語りを得意にするという事。
実際に若い時のピーターソンはピアニスト兼ヴォーカリストとして活動していました。
兄弟のような親友だった二人はその演奏のスタイルもよく似ていた。
甘い声質もよく似ているし、よくスウィングするピアノのスタイルまで似ている。
しかもレギュラートリオの編成がギターとベースというドラムレストリオなのも同じだ。
このままでは、あまりにもキャラがかぶり過ぎていると二人は考え、ナットが先に僕は歌を選ぶと言い、オスカーはピアノを選ぶ事になった。
後の二人の成功は皆さんご存知だと思います。
そのオスカーピーターソンヴォーカリストとしての魅力に焦点を当てたのがこのRomanceというアルバムです。
ギターとベースとのドラムレスのトリオ編成でバラード曲を中心にした選曲、正に秋の夜長に聴くのに相応しい、タイトル通りのロマンチックアルバムです。
オスカーピーターソンの優しい声質は本当にナットキングコールによく似ていますね。
オスカーピーターソンは歌伴の名手としても知られていますが、それは自身が素晴らしい歌い手なのと関係しているかもしれませんね。
オスカーピーターソンは親友ナットキングコールが亡くなった後に親友を偲びWhth respect to Nat king coleという弾き語りのアルバムを録音しますが、それっきりヴォーカルを封印してしまいます。
生前のインタビューによると、レコード会社からヴォーカルアルバムを作るオファーが多くあるものの親友ナットとの約束を守る為に断り続けたようです。
天国にいるオスカーピーターソンとナットキングコールは、ナットの歌にオスカーがピアノで歌伴をしているのか、はたまたその逆なのか、親友らしく二人並んで連弾しているのか、どうなんでしょうか。
二人で仲良く音楽を楽しんでいる事だけは、間違いないはずです。