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オンザロック〜ソフィア・コッポラ

前作からどれ位経ったかとフィルモグラフィーを辿ったら、2017年の「ビガイルド」以来というのはわかったけれど、私自身が彼女の監督としての作品を観るのが「somewhere」以来でしかも劇場でとなると「ロスト・イン・トランスレーション」まで遡ることとなり、監督としての彼女に対する想いとは随分乖離した鑑賞歴となっていたことに驚いた。

作品自体は、どこかウッデイ・アレンを思わせるような雰囲気を感じさせる洒脱さとアイロニカルな台詞が心地良いもので描かれているものはかなりありふれているにもかかわらず、楽しめるものであった。         ソフィア・コッポラといえばどうしても父君フランシス・フォードとの関係を頭においてしまうがもちろん今作でのビル・マーレイ演じる父親役にはそれを投影していると思えるような描写もそれとして見れば感じることはできそうであったけれど、それは余計な詮索なのだろう。

個人的には音楽も良かったし、絵に書いたようなHappy Endが上質のentertainmentに仕上がっており、映画が持つ本来的な面白さを与えてくれる佳作であった。

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