ねぼすけライオンと雑巾愛好家のオラウータン:大人の多摩動物公園紀行
15年ぶりの動物園。
当時はデジカメで撮影していたけれど、今のスマートフォンほどの画質はなく、満足な写真が撮れなかった記憶が蘇る。
あれから随分と時が経ち、カメラ技術も進化した。
そんな懐かしい思いを胸に、私は多摩動物公園の門をくぐった。
500円の後悔?いや、人生の経験!
まずは王道・ライオンバスへ。
「500円!?」思わず声が出そうになる。
子供料金150円との差に、大人になった実感が染みる。「まあ、間近で見られるなら…」と自分を説得し、期待に胸を膨らませてチケットを購入。
が、しかし。
「ライオンさんたち、食事をしてお腹いっぱいで寝ているかもしれません…」
運転手さんの申し訳なさそうな一言に、心の中で叫ぶ。「それ、先に言ってよ!」
案の定、ライオンたちは川の字で熟睡中。
唯一目覚めていた立派なたてがみの王様も、私たちを見て大あくびを一つ。
「これはこれで貴重な経験だよね…」と自分に言い聞かせながらバスを後にした。
入口で待っていた幼稚園児たちに、心の中で「ライオン達みんな寝てるよ…」と告げるのが精一杯だった。
意外な発見の動物たち
しかし、その後の園内散策は新たな発見の連続だった。
-フラミンゴ
- キリン
- コアラ
- ヤギ
- バク
- ムササビ
そして主役は…雑巾を愛するオラウータン!
しかし、この日の真の主役は間違いなくオラウータンだった。
特に、薄汚れた雑巾のようなものを「宝物」のごとく大切そうに扱う大人のオラウータン。
移動するたびに慎重に外し、また頭にかぶるその姿は、なんともいえない愛着を感じさせた。
後ろで見ていた誰かが「きっと臭いんだろうね」とつぶやいたが、それも含めて愛くるしい。この生き物の魅力なのかもしれない。
最初のライオンバスで失った500円は、このオラウータンの個性的なパフォーマンスで完全に回収された気がする。
大人目線で楽しむ動物園の新たな魅力
15年ぶりの動物園。
スマートフォンで写真は撮れるようになったが、動物たちの魅力は変わらず楽しませてくれた。
むしろ、大人になった目で見る動物園は、また違った発見に満ちていた。
寝ているライオンも、雑巾を愛するオラウータンも、かけがえのない思い出として心に刻まれることだろう。
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