偏差値28の告白 〜父と私の数字の物語〜
父が忘れていたあの日の記憶
「偏差値28だったんだ」
父がnoteを読んだ感想の第一声に、私は思わず固まってしまった。
その言葉には「へぇ、初耳だな」というような新鮮な驚きが含まれていた。
そう、父は覚えていなかったのだ。あの日のことを、まるっきり。
でも、私には10年以上前のその出来事が、今でも鮮明に焼き付いている。
おそるおそる模擬テストの結果を見せた時の光景を。
親子の数字80と28の衝突
「俺は偏差値80取ったことあるぜ」
父は、まるで昨日の晩御飯の話でもするかのような気軽さで、その驚異的な数字を投げかけてきた。
その瞬間、私の頭の中には「この人と本当に血が繋がっているのか?」という疑問が浮かんだ。
DNAの不思議を考えずにはいられなかった。
そんな父と娘の珍妙なやり取りを見ていた母は、さすがの采配で場を和ませてくれた。
母の一言が照らした家族の絆
「2人ともすごいね。どっちも取るの難しいよ」
なんて素晴らしい外交官なんだろう、我が母は。
確かに、偏差値80も28も、どちらも並大抵の努力では到達できない数字かもしれない。
面白いもので、私にとってはこんなにも鮮明な記憶が、父の中ではすっかり霧散していた。
見せるべきではなかったか...
と一瞬思ったが、
何事にも辛口な父が今回のnoteを読んで「まあ面白いんじゃない」と言ってくれたことは、偏差値28の私にとっては、これ以上ない褒め言葉だった。
数字を超えた、かけがえのない思い出
結局のところ、数字は人生の一部分でしかない。
父の偏差値80も私の28も、親子の記憶の非対称性も、今となっては笑い話のネタとして、家族の歴史に彩りを添える思い出の一つとなったのだから。
きっと今度は、父も忘れないでいてくれるはず...なのかな?
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