塩田武士 著 『存在のすべてを』感想
図書館にて予約待ちしていた本書を読みました。
大変面白く今年一番心揺さぶられた一冊かもしれません。
どこが一番心に刺さったかといえばきっと多くの人が亮が誘拐され再び姿を現すまでの空白の3年間だと思う。
事情を知らぬまま兄雅彦からむりやり見ず知らずの4歳の男の子亮を押し付けられた貴彦。なぜかその子はくっきりとした二重瞼の辺りが貴彦に似ており、画家の貴彦同様絵の才能があった。後に亮が雅彦とその仲間によって誘拐された子供だと知る貴彦とその妻優美。
彼らは育児放棄されていた亮を自