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Photo by
take_futa
お金も熱源も(2024年12月5日)
17年前に田舎に家を建てた時、キッチンにはこだわった。
シンク、コンロ、冷蔵庫を繋いだ長さは180㎝。
120〜180㎝が機能的で動きにムダがないとあった建築系雑誌を参考にした。
体にムダな贅肉が着いている割には、ムダがないことが好きなのだ。
シンクの後ろに作り付けた食器棚は、奥行を20㎝と敢えて狭くして、収納量より出し入れのしやすさを選んだ。
ズボラで気が短い。
実家にある上下2段に分かれて、奥行きのある分、奥のものが取り出しにくい食器棚に閉口していた。
大皿等の日常使わない食器は、ワンアクションで上から下まで開閉できる本棚を利用している。
コンロはガス。
太陽光発電、蓄電池を入れる予定にしていたので、オール電化を勧められたが、ガスにこだわった。
これには設計士、現場監督、夫から、オール電化の方が経済的でいいと、かなり、強行に勧められた。
施工も光熱費もまとめた方が割安なのは分かる。合理的に考えたらそうだろう。
たぶん腹の中で3人はわたしの事をアホだと思っていたと思う。
だが、これには理由があって、昔読みまくっていた星新一に影響されてのことなのだ。
どの作品かは忘れたが、ざっくりいうと、未来の家は玄関から全てオール電化になったが、停電により家の出入りが出来ない、家の中でも何一つ動かせない冷暖房も出来ないという話だった。それがずっと記憶にあった。
『卵はひとつのカゴに入れない』。
資産運用などで言われることを家作りでも適用した。
熱源はひとつにしない。
わが家のも近くにも断層がある。
県内では水害もあった。
沿岸部なので、台風の度に身構えている。
あれにもこれにも備えなければならない。
星新一を読んでいた頃、こんな未来は想像してなかったが。