見出し画像

何か変わりそうで 眠れない夜

タイトルはTHE BLUE HEARTSの『ブルーハーツのテーマ』から。昨日あたりからずっとこの曲が頭の中でリフレインして離れない。

この曲を聴いていたのは中学生の頃だった。そういえば『旅人』の2Aは『導火線に火がついたのは いつだったろうか 中学生の頃か 生まれる前か』という歌詞だ。
その後は『爆発寸前の火薬のような レコードが好きだった』と続く。
僕が中学生の頃に聴いていたのはCDだったけれど、それはまさに爆発寸前だった。

休日になるとブックオフによく行った。目当てはブルーハーツのCD。駅の反対側、自転車で行ける隣町、電車で繁華街まで。ブックオフ行脚を繰り返してついに全てのアルバムを揃えたのだった。
そして「次はシングルだ」と意気込んだはいいものの、当時のシングルといえば8インチの小さなCD。縦長の紙パッケージ。
流石にほとんど見つからないまま、僕は大人になってしまった。

そんな中学生の頃の歌が未だに頭から離れてくれない。僕らの青春はiPodの中に閉じ込められたまま、『サブスク』なんて言葉に飲み込まれそうになりながら生きている。
きっと、今の中学生にとってはそれが青春になるんだろう。
ヒロトにとってのレコードが僕にとってのCDだったように、10代の時を共に過ごした相棒は忘れ難きものとなる。

20年後、僕は同じ歌を歌っているのだろうか。きっとそんな気がする。それでいいとも思い始めている。
10代の頃に大人を見て「なんで古い歌ばかり歌うのだろう」と訝しんでいたが、彼らは歌の中で歳をとらないようにしていたのだ。
僕から見ればその方が余程年寄りくさかったのだが、本人たちにとってみればそれは若返るための手段だったのかもしれない。

当時刺さった歌詞は、心臓を貫通したまま抜ける兆しすらない。まるでこの鼓動と一体化しているようでいて、むしろそれがなければ全身に血を通わせることができないと思えるほど、深く突き刺さっている。

冒頭の『ブルーハーツのテーマ』の最後は同じ歌詞の繰り返しで終わる。

『あきらめるなんて 死ぬまでないから』

いいなと思ったら応援しよう!