Tsundoku

久しぶりに新刊で本を買ってしまった。ここのところしばらくタフな時間が続いていてあまり本を読めなかった。読書をするにはある程度の心の余裕がないといけない。最近はちょろっと忙しくてショート動画と140文字のポストで快楽物質ドバドバ出してストレスを発散していたので、落ち着いて本を読む暇がない(厳密にはある)という状況だった。

諸々が一旦落ち着いてきてなんとなく本でも読むか〜と思い始めたらそのタイミングを逃してはいけない。そーっと近づいて、ドン!だ。“読書欲”を怖がらせてはいけない。目が合う前に、気づかれる前に捕まえないとすぐにどこかに逃げていってしまう。

さて、今日買ったのは二冊。芥川賞受賞作『東京都同情塔』と、『近畿地方のある場所について』だ。
どちらも話題作-所謂平積み本だ。
前者は「芥川賞くらいは読んでおかなきゃね」みたいなミーハーな気持ちもかなりある。かなりっていうか、そういう気持ちだけだ。残念ながら芥川賞受賞作を毎年読んでるとかではないが。ホントは読みたいんだけどね…。
後者はだいぶ前にネットで連載しているのを見た記憶があって、当時は完結していなかったので純粋に続きが気になった。ネットで読むのと本で読むの、なんであんなに気持ちが違うんだろうね。毎日文字数だけでいえばかなりの数を消費しているはずなのに、いざ本になると尻込みしてしまう自分が情けない。

さて、そんなふうに新刊二冊を買うきっかけは、朝ふと本棚で目が合った本をポッケに入れたまま出てきたからだ。恥ずかしながら僕はかなりいろんなものをポッケに入れる癖があるので、一旦パラっと読んでポッケにしまったまま外出してしまったのだ。
ちなみにその本というのが『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』だ。結構前に古本屋で買ったはいいが、全然読み始められなかった中の一冊。
簡単に言えば「積読」だ。

どこまで読んだかな…、と思っても全然思い出せないので結局最初から読んだ。なんだ、これめっちゃいいじゃん。買った当時はあまりジャズの知識もなかったから感動しなかったけど、かなりいいぞ、これ。
ということで、小さな『ドクショヨク』がそっと顔を出してきたので勢いそのままに本屋に飛び込んだ。

僕が新刊を買う理由はいくつかあるが、1番デカいのは「せっかく定価で買ったんだから読まないと勿体無い」と思えることだ。これがたとえば古本屋で買った文庫本とかだと「まあ100円だったし…」みたいになって積みっぱなしになる。「もったいねぇ」と思えるくらいの値段を払わないと本の一つも読めない自分の弱さに呆れつつも、これを機にコツコツと本の山を崩していきたい。

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