言い訳がましく今日もまた、僕はいたずらに夜を更かす
寝つきが悪い。「寝つき悪めなんだよね〜笑」で片付けられないほど寝つきが悪い。
かと言ってショートスリーパーというわけでもない。日中はバカみたいに眠たいのに、家に帰ると目が冴えてしまう。
「よし、寝よう!」と決めてから見る必要の無いような短い動画を幾つも見てから「これならドラマの1話でも見ればよかったな…」と後悔する。
どうせ明日になったら忘れるようなインスタの「オススメ百均アイテム」や「〇〇あるある」をスクロールした時間は、死ぬまでに何時間に膨れ上がるのだろうか。
「こんなことならギターを弾けばよかった」「こんなことなら本を読めばよかった」「こんなことならカーペットかえとけばよかった」と思うくらいなら、文でも書こう。
眠れないのには理由があるだろう。たとえば、「今日に満足してない」とか「昼寝をしてしまった」とか「起きるのが遅かった」とか。
しかし、どれにも当てはまってないとすれば、どうすればいいのだろう。
いたずらに睡眠時間を削って、どうせ明日辛くなるのだし、それで結局夜にやり残した事をやろうと夜更かしをする。負のループにハマってはいけない。
「早起きは三文の徳」とはよく言ったものだ。余裕を持って朝起きることの出来る人を純粋に尊敬する。
夜にやり残した事を朝に持ち越すことの出来る人は、三文どころじゃない徳を得ているはずだ。
前からずっとそうだった。遅刻にならない程度の朝寝坊を繰り返し、慌ただしく家を飛び出しては汗を拭きながら電車に揺られる。いや、乗ってしまえばあとは座っているだけだからまだ良いのかもしれない。
自転車で通学していた時は、毎朝自分との闘いだった。ただのママチャリのくせにエアロポジション(自転車選手がやる空気抵抗の少ない体勢)を試してみたり、さながらマリオカートのように前の人の後ろにぴたりとついてみたりと「如何に速く着けるか=どれほど遅くまで寝ていられるか」を挑戦していた。
問題は学校に着く直前にある坂だった。勾配の%までは正確には分からないが、とにかく急な坂だった。そこまでずっと走り続けて、最後にその坂を登らなくてはいけなかった。
夏場は地獄であった。ただでさえ汗だくなのに、その坂を登ってしまったら最後、その汗はしばらくひかず、火照った頭で講義に参加していた。
いつの間にか、「寝れない」話が「起きれない」話に変わってしまっているが、どちらにせよ結果は同じなのかもしれない。
こうして僕は朝の三文を前借りして、今しか書けない文を書く。