I'm a stranger of "Stranger Things"
2 years hiatus
楽しみにしていたドラマの新シーズンが公開になる時はいつだって興奮する。といっても、ちゃんと追っているドラマなんて本当に数えるほどしかないが。いや、むしろだからこそこんなにも公開日を待ち望んでいたのかもしれない。
5月27日、金曜日。僕はずっと心ここに在らずといった状態で、インターネットに潜りながらその時を待ち望んでいた。普段は立て込まないはずの予定がなぜかそのあたりだけに集中していて、歯がゆい思いをしていた。
結果的に言えば僕がストレンジャーシングスシーズン4を見始めるのは30日まで待たなくてはいけなかった。27は帰るのが遅くなった上に翌日も朝が早く涙を飲んで寝床に潜り込んだのだ。「見るのであればちゃんと一気に見たい」そう思っていたから、中途半端な気持ちで再生ボタンを押すことができなかった。
とはいえ、結局そう上手くもいかなかったのだが。
28日は葛藤が大きかった。普段は遠くに住んでいる友人が2年ぶりに東京に来ることになっていたのだ。しかも、翌日にはまた遠くへと帰ってしまうというのだ。イレブンとの2年ぶりの再会か、友人との2年ぶりの再会か。悩んだ結果は現実を選んだ。
イレブンにはいつでも会えるけど、彼は今日を逃したらいつ会えるか分からないと自分を言い聞かせて渋谷に向かった。
29日。「帰りに銭湯に寄って、万全の体勢で臨もう」と思ったはいいものの、サウナがあまりにも心地よく帰ってきたら一瞬で寝てしまった。
ちなみにサウナにいるときにシーズン3の4話「サウナテスト」を思い出して笑いを堪えていたのは内緒だ。
来る30日。午後から友人の家へ向かう。大荷物でヘトヘトになったり、知らないおじさんに話しかけられたり、色々あったが無事辿り着くと彼はなんとシーズン4を見始めていた。
「もう観てるかと思って慌てて追いつこうとしたんだ」と彼は言う。しかし画面はシーズン4の第1話。「いや、だとしたら間に合ってないやん」の言葉を飲み込みつつ「俺もまだ観てないんだよ…」と嘯いた。
Long Time No See
友人とドラマを観るのは楽しい。ひとりで観ているだけでは分からないことも、隣から聞こえるつぶやきが教えてくれる。
結局、2人で最初から観ることになった。半分くらいまで進んでいたシークバーを彼はアタマまで戻してくれて、電気を消した。
普段から、独り言が多い性格ではある。大人しく認める。それはテレビやドラマを観ている時でも変わらなく、画面に対して対していちいちぶつぶつとコメントしたりしている。もちろん、映画館とか、電車の中とかでは我慢する。でもそれはあくまでも我慢しているだけで、本当は言いたいのだ。
幸い、友人も同じような人間だったりして、2人してぶつぶつコメントしていた。聞き取れたセリフを反復してみたり、「そういえばシーズン3でこんなシーンあったな』と言ってみたり。
余談だが、彼は映画を観るのが上手い。一緒の画面を見ているのに彼が呟く一言は結構核心をついていて、おかげで伏線が回収される時が分かったりする。なかなか鋭いなぁと思いつつ、なんか悔しいのであまり本人には言っていないが。
閑話休題。シーズン4の最初は「パパ」の再登場から始まる。ほぼ忘れかけていた顔が突然出てきて驚きつつも、「なるほどこういう感じか」などと呟いた。
話が進むにつれて少し歳をとったキッズ達が現れてなんだか久しぶりに会った友人のような感じがして不思議だった。もちろん作中よりも現実の方が歳をとっていて、もはや子供は呼べるような顔つきではなくなってきているが(自分が日本で育ってきたせいか僕にとっては彼らは見た目より上に見えてしまう)間違いなくシーズン3まで一緒にいた彼らがそこにいた。
Friends Don't Lie
とにかく、1話を見終えた。エディに始まりアーガイル、クラッシー(死ぬけど)などの新キャラも登場、でも今までの仲間も沢山出てきて楽しかった。
しかし、僕らは困惑していた。
「これもうストレンジャーシングスじゃなくない?」
だってルーカスは突然ジョックスっぽくなってるし、マックスは塞ぎ込んでて、"I could be your zoomer"とか言ってた頃の面影がない。(個人的に今シーズンのマックスはめちゃくちゃかわいいと思っていますが)
マイクもシーズン3でウィルに「俺たちはナードのままでいいのか?」みたいな事を言ってウィルバイヤーズ城を壊させたのにめちゃくちゃD&Dやってるじゃん。ジョナサンはジョナサンでカリフォルニアしてるし、エルはいじめられてる。
ああ、ダスティン。君だけだよ変わらないのは…。
そんな訳で僕らは友達なのでお互いに嘘はつかず、「これ、本当にストレンジャーシングスか…?」と言い合った。面白いのは間違いないが、なんとも釈然としない。シーズン3の第1話を観た時は「これだよ!これがストレンジャーシングスだ!頼むからこの平和な日々がずっと続いて欲しい…」と思っていたのに。
とりあえず、僕らは仕方なく「これはキャストが同じ別のドラマだ」という解釈をした。
確かになぜか登場人物が某有名ドラマと酷似しているけど、別のドラマだ!という事にした。いや、そうしたところで別に何かが変わるわけでもないが。
A Deal With God
その日は結局1話だけ観た。はじめましてみたいな感情になって、上手く飲み込めなかった。
2話からは一瞬だった。4話激アツでしたね。「死ぬわけないけど、万が一死んだら…」みたいな思いでダッシュするマックスを観ていたら泣いちゃった。
個人的に良かったシーンはスティーブ一行が夜の学校でルーカスと鉢合わせるところ。バスケ部に入ってブザービート決めて、ジョックスの仲間入りだと思っていたルーカスが、「ベスト・フレンド」のダスティンのために走ってくるの、めちゃくちゃいい!と思った。
後はマックスがルーカスに「クールな奴になったのかと思った」ってちゃんと言うシーン。その後マックスが笑うのがたまらん。
後はマックスが遺書?みたいなのを書いてる時にダスティン、スティーブ、ルーカスが何も言えず背中をみてるところ。「見てるでしょ」って言われた後に焦る3人もめちゃくちゃいい。
あのシーンのマックスのセリフ、練習しちゃったもんね。
さっきからマックスの話ばかりだけど、それくらいシーズン4のマックスは良かった。ビリーのトラウマを抱えながらも最後は笑えるようになったマックスのドラマはもうめちゃくちゃいいと思います。
あの一行の中だとやっぱりロビンはいいですね。あの早口とマヤホークの声がバツグンに合ってて、もはや聞いてるだけで心地いい。あとシリアスなシーンなのにちょっとふざけちゃうところとか、本当に好き。
新キャラだとエディも最高ですね。1話で出てきた時は「ヤバい奴きたな…」と思ってたけど、実はめっちゃいい奴で感動しました。(クスリを売るのは良くないけど笑)スティーブと話すシーンもいいですね。いい友達になれそう。
それで言うとナンシーとロビンのフレンドシップも最高。病院に行く時のコンビネーションもめちゃくちゃいい。あと"Platonic with a capital P"のセリフね。
ただ、フレンドシップに関してはスティーブ&ダスティンに敵うものはないと思う。スティーブに対して"Too far"って言えるダスティンも最高だし、それにちゃんと謝ってからフィストバンプする2人。仲良すぎだろ!と思いました。
もちろんウィル&マイクの友情もステキなんだけど、「それ毎シーズンやってない…?」みたいに思っちゃうし、今シーズンはそもそも2人の影が薄い…。
いや、シーズン2の泣きながらウィルに語りかけるマイクはめちゃくちゃ良かったよ。でも今回の「ベストフレンドだよな!」みたいなシーンはなんか物足りない。きっとvol.2に繋がると信じている。
American
忘れちゃいけないのがホッパー側のストーリー。やっぱりあのおじさん、あまりにも強すぎる。めちゃくちゃカッコいいなと改めて思う。シーズン3で着てたアロハシャツ、インスタの広告に出てきてたから買っとけば良かったな。
ジョイスの執念もすごい。最後会えて本当に良かった…。エンゾは散々だったな…と思いつつ別にあいつも善人ではないし…。ユーリがとにかく悪人なんだよな。勧善懲悪を望んでいる訳ではないけど、ホッパーに助かって欲しい身としてはユーリを憎まずにはいられない。
しかしイレブン一行改めアーガイル一行は影が薄すぎる。イレブンは途中で念を取り戻す修行に行くからまだいいけど、それ以外のメンツはちょっと寂しい。
ウィルとマイクがベストフレンドなのはもう分かったけど、マイクってそういえば主人公だったよな…?と思うほど。
ジョナサンはなんか常に目が虚ろだし、アーガイルが唯一の良心まであるな…と思ったりしていた。ていうかマイク、シーズン3でウィルにあんな事言ったの忘れたん…?
スージーが出てきたのは良かったね。シーズン3で終わりじゃなくてまた出てきてくれたのは嬉しい。「スージー」がピンときてないみんなに"Turn Around..."って歌って気付かせるウィルは良かった。
全シーズンでは最後みんなが一緒に戦うことになったけど、今作はどうなるのかしら。
001
そして外せないのは001の話。イレブンの謎や008以外の子供たちなど、いよいよラストシーズンに向けて走り出したなという感じがする。
個人的には今作は今までよりもホラーテイストが強かった気がする。みんなが大人になったから怖さも増しているのか…?と思ったり思わなかったり。
しかしヴェクナね…。全ての根源があの家にあって、犯人はまさかの子供の方だったという…。色々考えながら見ていたつもりだったけど流石に001のことは読みきれなかった。
いやでもよくよく考えれば第1話がパパのシーンから始まるあたり、伏線はちゃんと張られてたんだなあと思ったり。
Strange kind of woman
それにしてもとにかくvol.2が楽しみで仕方がない。次はもう人見知りはしないと思う。見慣れた彼らにこんなに短いスパンでまた会えることを感謝しつつ、あと10日を過ごしたいと思います。長々と限界オタク語りを聞いてもらって申し訳ないと思いつつ、これを今週のnoteとして上げさせてもらいます。