For the days come and go.
「あっ」という間に、日々は過ぎ去っていく。あんなに長く苦しいと思っていた4月後半も気づけば後ろにいて、5月に入ったと思えばとっくに5日も経っている。
喉元すぎて熱さを忘れ、まるでずっとこんな気分だったかのような顔をしていつもの電車に違う気持ちで揺られている。
うるせえなあ、めんどくせぇなあ、と呟く代わりに「そうですねぇ」と嘯いては誤魔化している。機嫌の悪い人に付き合っている時間はないのだ。
不機嫌の連鎖は俺が止める!などと意気込む事もなく、右から左へ揉め事を流している。
諍いを収めるためだけに使う体力などどこにもない。
変わっていく。過ぎていく。ため息をつきたくなる日々の中にポッと現れる昨日のような日がいつまでも続けばいいと思ったりもする。
「ずっとあれでよかったんだよな」と思う思い出がたまに頭を掠めて、目の前のことに集中せねばと振り払うほどに張り付いてきて、また落ち込む。
明日もまた、日々が続いて、君には君の生活が始まって、僕には僕の朝が来て、疑うヒマも与えられずに影は伸びてまた消える。
悩みも思いもひた隠しにしよう。たまには笑って過ごそう。意味もなく歩いて、天気がいいだけで気分良くなろう。
明日が来ればまたすり減る日々が始まって、少しずつ削り取られるばかりでも、昨日みたいな日に力をつけて前に進もう。
鬱屈とした気持ちを飲み込んで、余計なことはなしにしよう。溜まった分だけ吐き出せばいいさ。
昨日みたいな日がいつまでも続けばいいと、そう思いながらも引かれる後ろ髪を必死に振り解いていく。
苛々する自分こそ余裕がないのだと悟り、なんでもない日々を待っている。
僕のゴールデンウィークは来週。それまでもう一息、続かない肺活量を騙し騙しでなんとかしよう。