続・続・つづく。
一月は行く。あと数時間で2022年の最初の月が終わってしまう。この間−と言っても一週間くらいまえだが−「なんだか今年の一月は長い気がする」などと呟いたが、振り返ってみればそんなことはなかった。
前から冬季五輪が行われる年になると「オリンピックってこの前やらなかったっけ?」と思うが今年は特にそう思う。なんなら本当にこの前やったばかりだから、気のせいでもないのだけれど。
○月○日まで、とポスターに書かれた展覧会に「いつか行こうかな」と思っていると気づいた時にはその週末が最後の日だったりする。
勿体ないな、と思いながら、「今回は縁がなかったという事で…」と言い訳をする。
映画館の席に座って予告編を観ていると、「これは面白そうだな。いや、これもいいな」と殆どの作品の鑑賞を決める。
しかしいざ席を立つ時になるとたった今観た映画の方に脳のリソースが持っていかれて、予告編のことがぽっかり抜け落ちてしまう。
前から楽しみにしていたライブの日なのに、一週間くらい前から気持ちが乗らなくなってしまったりする。
当日の朝がピークで、「なんとなくめんどくさいな」とまで思ってしまう。
結局帰りはいつも「本当に来て良かった」と言うクセに、本番までの気の持ちようが分からない。
「明日はこれをしよう」と心に決めていたのに、朝が来ると途端に布団から出れなくなってしまう。
友達との約束があれば這い出るように外界へと足を向けるのだが、「本を読もう」とか「買い物に行こう」という自己的な目標はいつも達成されないままで、気づけば夕暮れにタバコをふかしている。
部屋を掃除していると、ふと昔の手帳が目についたりする。「飲み」とか「バンド練」とか「パーティー」とか、予定のフリをした日常が紛れ込んでいて面白い。
最近はスマホのカレンダーも使っているが、なんとなく紙の手帳も持っている。
5年後に部屋を掃除していてもスマホのカレンダーは目につかない。
某フリーマーケットアプリを齧り付くように見ている。あれでもないこれでもないと掘り出し物を探しているうちに、何が欲しいのか分からなくなってしまう。
物を買う事はこんなにも疲れるのかと静かにスマホをロックする。
あまり寝付きが良い方ではないので、寝る時には何かを流す。音楽だと聴き込んでしまうから、ラジオくらいが丁度いい。
それも面白すぎると目が冴えてしまうのでYouTubeにあるちょっと難しい事を言っているラジオを「ちゃんと聞く」というより「流し聞き」。
そんな日々がこれからもきっと続く。波瀾万丈もカタルシスもないけれど、なんでもない日々が続いて、三歩進んで二歩下がって、少しづつ前に進む。