Turn It Off
あっという間に時は過ぎていく。過ぎていくのに。
多分怖かったんだと思う。色んなことが。Blink-182のトレーナーを着てもBlink-182にはなれないんだなぁと気づくのに随分と時間がかかってしまった。
朝が来て、晴れてたり曇ってたり雨が降ってたり。昔は死ぬほど酔っ払って、後はよく分かんないくらい吐いて、翌朝になって。そんな日々もあったなと酷い二日酔いを抱えながら目を覚ます。
この苦痛の乗り越え方をもう思い出せない。しばらくはほとんど酒をやめていた(コロナ期間であまり友達に会えなかったこともあり)のに、最近になってまた酷く酔っ払う夜が増えた。
新しい友達ができたと喜ぶべきか、体に悪いと嘆くべきか。答えが分からないまままた黒霧島のソーダ割りを注文している。
「こんな毎日は、長くは続かないよ」と声がしている。知っている。嫌というほど知っている。「幸せだなぁ」と思ったその少し後には揺り戻しがやってきて、僕を強く締めつける。
「この時間がずっと続けばいいのにね」と、言うのも思うのも簡単なのに残酷にも明日はやってくる。
昔聴いていた曲を引っ張り出して、必死に今の自分を救ってほしいと願っている。でもどんな曲もただ当時の気持ちを再放送するだけで、『今』を表現してはくれない。
じゃあ10年後に今聞いている曲がこの感情を蘇らせてくれるのだろうか?と訝る。
少しずつ夏の匂いが消えていって、「ああ、また冬ってやつが来るんだな」と思っている。「夏が好き」と言ってはいるけれど、じゃあ35℃の野外で1日過ごしてくださいと言われてもいよいよしんどい。
記憶の中の理想の夏なんて、きっともう二度と来なくて、小学生の頃の「朝方はまだ涼しいからね」みたいなのは多分もうないんだなと気づいて寂しくなる。
今月は心身ともにタフな日々が続いていて、来月にはもう28にもなるのに全然強くなれないなぁと思うばかりで。もちろん、強くなることがいいことでもないのかもしれないけど、このままじゃダメなんじゃないかな?と疑ってしまう自分の弱さには辟易する。
タイトルはミュージカル『ブック・オブ・モルモン』の曲から。
「嫌なこと/辛いことがあっても、まるでスイッチを切るように気持ちを切り替えるんだ」みたいな歌で、劇中では普通にコメディパート(このミュージカル自体がコメディなのだけれど)として扱われているんだけど、たしかにスッと切り替えられたら便利だよなぁと思ったりする。
乗り越えていきたい。辛い日々も、悲しいことも、嫌なことも。
スイッチを切り替えながら、せっかくなので冬服でも買おうかと思った。