見出し画像

n周目の憂鬱

「別にみんなが知らない曲でも、俺らが楽しければいいっしょ」という気持ちで歌っていた。(或いは、今でも歌っている。)
正しい、正しくないのお話ではないが、果たしてそれが本当に良かったのかどうかは分からずじまいであった。
なぜか音楽というものは、「聞いたことがある」方が楽しめる。映画も小説も、ネタバレを気にするのに、ことライブに関してはむしろネタバレがされていないと面白くない。
もちろん、ライブで初めて聞いた曲に死ぬほど感動する事だってあるし、そうかんたんに言い切ってしまうのは語弊があるのだけれど、少なくとも素人バンドがやっている曲は知っている方がいい。
そういう意味では、僕の歌は「知らん歌」でしかなかったのかもしれない。
今、自分がどう思っているのかは分からない。ただ、その問いを何周もしているという事だけが分かる。
「皆を楽しませる」と「自分たちが楽しむ」というベン図の被っている部分、「且つ」の部分。それは果たして存在しているのだろうか。

「カラオケが好きではない」と友人がnoteに書いていた。分からなくもない。元々歌うのは好きなのに、なぜかカラオケは「難しい」と感じる。
「丁度いい曲」を選ぶのも面倒だし、音がデカイと話すこともできないし。
「歌える曲」且つ「歌いたい曲」且つ「その場にあった曲」のベン図は、更に難しくなりそうだ。
その問いも何周もした気がする。あえて自分の好きな、自分しか知らないような曲を歌ったり、所謂流行りの曲をムリして歌ってみたり。
結論、分からないのである。というか、自分自身がすでに悪い意味で音楽に触れすぎてしまったのだろうと思う。
欲を言えば、本当は自分たちで演奏してしまうのが1番楽しいからだ。それを知ってしまった以上、カラオケさんには申し訳ないがその楽しみを上回ることはないだろう。
勘違いしないで欲しいのは、歌うことは好きなこと、酔っ払って訳のわからない状態でカラオケに行くことなどは嫌いではない事だ。
極論、その日の気分である。我儘で申し訳ないが、そういうものなのだから仕方ないと思って欲しい。

しかし、そんなカラオケを含めて何周も何周も、「何を歌えばいいのだろう」と悩んでいるのに、一向に答えは出てきそうにない。
ただ一つ分かっていることは、突然「え!ギター弾けるの?何か弾いてよ!」と言われても絶対に香水は弾かないという事だけだ。

*別に香水をディスっているわけではありません。悪しからず。

いいなと思ったら応援しよう!