わざわざ言うほどでもなかったから言わなかったけど実はちょっと気になっちゃった話
朝起きて夜寝るまでには色んなことがある。楽しかったことは人に話したくなるし、悲しかったことはそっと心の奥にしまっておく。
でもたまに、その中間みたいな出来事が起こる。わざわざ言うほどのことでもないんだけど、なんかちょっと引っかかる。って言う話をします。
・歯医者さん
医者に行くのが好きな人はあまりいないと思う。多分いないと思う。いないんじゃないかな。いや、でももしかしたらそういう人もいるかもしれないけど、一般論として医者にかかる時は体が良くない時なので病院の予約はない方がいい。
中でも特に歯医者は行きたくない。内科や外科だったら「今この緊急事態を何とかして欲しい」と思って行くが、歯医者は「なんか歯が痛いなあ、どうしようかなあ」という気持ちだけでなく診察が一回では済まず、なんども足を運ばなくてはならないからなおさらなのだ。
それに歯医者にいい思い出なんてものは一個もない(全国の歯科医のみなさん本当にすみません)。ドリルの音は怖いし、元から痛かったとはいえもっと痛いことをされるし、麻酔を打たれると違和感がすごいし。何より処置中にどこを見ていればいいかがわからない。めちゃくちゃ眩しいライトは目が痛くなるからやだし、かといって先生の顔をガン見するのもおかしな話だし、ある程度目のやり場に困ったあと、最近の私は蛍光灯を見つめてそのメーカーや型番を読んでみたり、「ここは何回もきてるから知らない天井じゃないな」とか思ったりしてる。とにかく歯医者は病院の中でも行きたくない部類なのだ。
それでも痛い時は痛い。最近、前歯が痛み出して困った。余談だが私はすぐドーピングをする。どこかが痛いとすぐ痛み止めを飲んで誤魔化すのだ。しかし、今度ばかりは愛用のバファリンのジェネリック錠剤も効かず、止むを得ず渋々近くの歯科医院に電話をかけて予約を取り付けたのだった。
本当のことをいうと、結構前から歯は痛かった。でも大きな波の中でたまに少し痛むくらいで生活に支障はなかったし、2ヶ月ほど前に一度電話をかけたのだが昼休みだったのか休診日だったのか繋がらず「じゃあ、別に行かなくてもいいか...」などと思ってしまったばっかりに年明け早々から涙目で一日過ごさなくてはいけなくなったのであった。
さて、とにかく私は満を持して歯の治療をしにいった。しかしなんで医者というのはどこも「白」なのだろう。間違いなく清潔感もあるし、綺麗に見えるのは間違いないのでなんの問題もないのだがたまにはめちゃくちゃな色の医者とかあってもいいんじゃないか?いやダメか、自分が体調悪くて目眩がしてるのに真っ赤な待合室に通されたら失神しそうだもんな。
閑話休題。
治療に関しては特になんでもない。淡々と虫歯を削られ、詰め物を詰められてあとちょっと歯磨きに気をつけろって言われて終わる。全然関係ないけどここの先生はすごく優しくて良い。両親も同じところに行って同じように優しいと言っていたので本当に優しいんだと思うよ。ちなみに小学生の時に行ってた歯医者はすごい怒る人でほんとに嫌だった記憶がある。痛いって言っても「自分のせいで虫歯になったんだから我慢しろ」って言われたの、忘れてないからな。多分歯医者が嫌いなのってあの人のせいも少なからずあると思うよ。
とにかく、治療は滞りなく終了して会計まで済ませて次回の予約をして今日ははい、おしまいと相成った。しかし実はもうずっと前からの悩みとして、病院を出る時には何ていえばいいのかあんまり分かっていない。例えば定食屋だったら「ごちそうさまでした〜」でいいし、バイト先から帰る時は「お疲れ様でしたー」で良い。少なくともこの二つでないことは確かなのだが、「ありがとうございました」って言うのもなんかちょっと変かな?と思いながらも他にいい言葉が思い浮かばずにいつも礼を言って帰る。
さて、ここからがようやく本題みたいなものなのだが、この悩みってひょっとして歯医者さん側も抱えているのでは?と思ったのである。なぜなら、最後私があまりしっくりこないながらも「ありがとうございました」と言って外に出る時に後ろから「またお待ちしてます」と聞こえたのである。
別にそこまで変でもない。会話としては成立している。でも、歯医者で「またお待ちしてます」っていうのは私が礼を言う以上にしっくりこない。確かに、歯医者側が「ありがとうございました」って言うのも相当変に聞こえる、治療してやった側が感謝するなんてさすがに意味がわからない。かといって「どういたしまして」って言われても変な感じになるだろうし。
ところで、私なりに考えてみるとこういう時他の医者だったら大体「お大事にどうぞ」と声をかけるはずだ。それだったらいい。別に気にならないしわざわざこんなところに書いたりしない。じゃあなぜ「またお待ちしてます」なんて言葉を私にかけたのか。その理由はまるで分からない。きっと相手も私と同じようにしっくりはきてないけどなんとなく選んででた言葉がそれだっただけなのかもしれない。
ちなみに多分他の言葉だったら私もここまで気にはなってなかったと思う。しかしよりによってなぜそんな居酒屋感あふれるチョイスをしてしまったのだろうか。更にいえば歯医者にまた来たくなる時は歯が痛くなった時、即ち良くないことが起きている時だ。本当のことをいえば「また」なんて来たくない訳で。
まあ、別に、いいんですけどね。わざわざ言うほどのことでもないし。ちなみに明日、歯医者の予約、入ってます。
追伸ならぬ追言わなかったこと:友達に「最近歯医者行き過ぎじゃない?」と言われたが、別に行きたくて行ってる訳でもないのに「最近飲みすぎじゃね?」くらいの感じだったので面白かった。しかも大体歯医者って特定の時期に行き過ぎになるだろ、と思った。