ある3月の夕散歩。ノラ・ジョーンズを聴きながら。
3月某日。
今日は仕事を休んだ。
そう決めてたから。
朝から部屋を片付けて気づけば15時過ぎ。急に疲れてきて、とりあえず出した物たちを一旦収めて散歩に出かけた。
天気の良い日はなるべく散歩するようにしている。
日が少しづつ長くなってきて、心と体がようやく解放されていく。1日で1番好きな夕暮れの時間に、こうしてただのんびり散歩するひと時が贅沢で愛おしい。
今日はノラ・ジョーンズを聴きこう。
高校生の頃。
音楽やラジオを聴きながら部屋の窓から沈む夕日を眺めていた。
最近はあの頃と同じような感覚になることが多い。
実家を出で18年が経つ。
鹿児島から福岡、そして東京。
私はもう、自分の力で生活することができなかった高校生ではない。なのに当時の感覚がリアルによみがえる。
先が見えない未来への不安。何かができるかもしれないし何もできないかもしれない。当時の不安定さが今の自分にぴったり重なる。
人生の長いタームの一区切りなのだろうか。
18年。
たくさんのことを経験して多分私は変わった。
でも何ひとつ変わってないとも思う。
しばらく続いた苦しみの後にそよ風が吹く。
風が、止まっていた時間を動かしてくれる。
次の18年はどうしたい?
そんなことを自分に問いかけてみたり。
答えは出てくるはずもなく、また歩き出す。
結局、そんなことを思い巡らせながら1人過ごす時間が好きなだけなのだろう。
ただ風に身を任せて軽やかに生きていけたら。
それで良いのかもしれない。