【読書】シャオミのすべて:世界最強のIoTプラットフォームはこうして生まれた
大企業とスタートアップ連携におけるベストプラクティスの1つだと言えると思いました。
オープンイノベーションによって、スマホだけでなく、Miエコシステムという広範囲な事業展開をものすごいスピードで実現出来ている大企業のオープンイノベーションの成功例だと思います。
実際、今月もシャオミの路面店に行きましたが、ものすごい種類の家電製品があって驚きました。
元々の印象がアップルに似たスマホを物凄く安い価格で出してる中国メーカという印象ですが、本当に広範囲な製品があって驚きました。
バックパックを買いましたが、コスパと機能性に優れいて、思わず購入してしまいました。
どうやって短期間で総合家電メーカーになったのか?という疑問があったのですが、この本を読んで、その疑問がクリアになりました。
非常に面白かったです。
オープンイノベーションのベストプラクティスですね。
以下印象に残ったところです。
・自社はスマホにフォーカスして、それ以外は出資をして、議決権は取らずにブランディングと販路(路面店とEC)、デザイン、製造や販売に関するノウハウを提供する
・独立性を保ちながら徹底して育てるというスタンスでスタートアップを支援するアドバイスはするが決定権はとらない
・年間25社くらいに投資、80社程度に出資してきている
・出資、エコシステム開発を3層に分けて考えられている
・1層は、スマホとその周辺
・2層目は、イヤホン、モバイルバッテリーやスピーカー
白物家電、セグウェイとか
・3層目は、タオルとか生活用品にまでエコシステムを広げている
・投資担当が10名程度で事業サポートチームは200名程度
・デザイン、集中購買、品質管理などのサプライチェーンのノウハウを
提供して、良いものを作ることに徹底的にフォーカスしている
・それぞれの製品カテゴリーのトップクラスのエキスパート、第一人者を徹底的に調べ上げる。チームに入れたり、パートナーにしていく
・例えば、炊飯器に関しては、旧三洋のエンジニアを引き入れている
・そして、自社も勉強していく
・専門製品にフォーカスすることで成功確率が高まる、1社1製品
・IoTデバイスは出来るだけ粗利を薄くして、とにかく配ってユーザを獲得し
プラットフォームビジネス、大きくなればなるほどレバレッジが効くようなビジネスを目指すべき
(Miエコシステムが提供していること)
・ブランド
・チャネル
・サプライチェーン
・投資
・製品定義
・工業デザイン
・製品保証
(対象スタートアップ/製品に対して)
・巨大な市場を狙う
・グローバルな人材を登用
・巨額の融資を送り込む
(最も大事なこと)
・スピードが非常に大事、スピードがあるから先駆性が保てる
先駆性を保てるとトップクラスの人材を引き付け、メディアも注目する
お金も集まる
・シリコンバレーも基本的にはこの理論だ
・先駆性にはポテンシャルエネルギーが満ち溢れている
スピードがコアである
(三段階のペインポイント)
①製品のペインポイント
あかんレビューを100-200で分からなくても
1万と見ていると分かる
②業界へのペインポイント
世界で最も良い製品をベンチマークする
ニッチなものは機能を引き算して価格を安くすると一般化を狙えることもある
③環境のペインポイント
以上です。
この本あまり中の人のインタビューとか戦略とかはないのですが、どういう形でやっているのかが客観的な具体的に書かれていて、非常に理解しやすく面白かったです。
オープンイノベーションを学ぶ題材としても参考になる内容だと思います。