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#54 登山観光案内人

 観光案内人の大山さんは、いつも午後3時~4時頃の間に下山して来る。富士山登山観光案内人の身分証明書をぶら下げて。鳥居を通過すると「は~い、みなさんゴールですよ。お疲れさまでした。」と10名ほどのグループの登山者に声をかける。続いて、「富士山保全協力金に賛同していただける方はこちらでお願いします。」と声掛けをしてくれる。彼女の声に登山を終えた皆さんが次々と募金へ。「今日はプリンスルートだったわ。来週もまたあるからね!」と親指を立てて合図をくれる。募金を終えると、鳥居前で「カシャ・カシャ」と記念写真を取り、「じゃまた来週」とバス駐車場に向かう。大山さんのガイドが良いのだろう、登山を終えてバスに向かう皆さんの顔も明るい。
 
3年ほど前のこと。ガイドさんがいるツアーに保全金協力のお願いをしたところ、多くの登山客が財布を取りだそうとすると「はい、はい、急いでください。」と募金しようとする人を制止したガイドさんがいた。結局、誰一人すら募金することなく行ってしまったことがある。「富士山のガイドで禄を食んでいるのに!」と悔しい思いをしたことが何件かある。ツアーガイドさんには、保全協力金の趣旨を理解して、大山さんのように積極的に協力していただけるような制度が必要と思う。
 
そうだ、案内人の指針だから、ガイドラインにしよう!

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