見出し画像

#24 初雪

 月曜日早朝、中畑さん・鮎沢さんをピックアップして五合目に向かう。国立青年の家を右に見て少し走ると、五本松の気温表示が見える。「12℃だ!冷えてるね」と言いながら新五合目に向かう。「旧馬返し」付近から霧が濃くなり慎重に運転をする。23号線を右折し152号線に入る。3分ほど走ると左手に「ブルドーザー発着場」の看板。次に第3・2駐車場と続いて、3時45分に鳥居前に到着した。霧雨が続いている。
 
少し明るくなり始めた5時頃、最初の登山グループが現れた。欧米系とみられる外国人の4人だ。片言の日本語と片言の英語で、健康チェック・保全金への協力をいただき見送る。しっかりした服装と装備だ。時を置いてやってきたのは、またも外国人。陽気な方で英語でペラペラ。「ヘルスチェック&ドネーション、プリーズ」 英語案内を見せると「OK OK]と協力をいただき見送る。何組かの登山者を見送り気がつくと、霧雨は止み、東の空に雲の切れ間が現れ始めた。西の空も僅かながら青空が見え始めたと思ったら、七号目付近から頂上までの雲が一気に流れた。鳥居越しに富士山が見えた。しかも山頂付近は白い。「初雪だ」山頂中央部あたりは特に白く見える。携帯を取り出し、画面を拡大して「カシャ」画面を確認すると、いまいち明瞭ではない。小さな雲が山頂付近をいったりきたり。何回かシャッターを押してるうちに、日差しが山頂に。
「いまだ、カシャ カシャ」 「御殿場口」と掲げられた鳥居と富士山山頂の初雪をカメラに収めた。なかなかの出来だ。中畑さんは作業小屋にいて初雪を確認できなかったようだ。

 ポツリ・ポツリと登山者がやってくる。撮り立ての映像を見せて、「雪が降りました。初雪です。恐らく氷点下です。寒いのと滑るので無理をしないでください」と注意を促す。「えっ 雪ですか? あっ ほんとだ」「寒そー」と口々に驚きを隠せない。それでも「行ってきまーす」と元気に登って行く。直後に下山者が数人、鳥居をくぐって来た。最初の下山者も欧米系の外国人だ。「山頂まで行ってきましたか?」 「もちろん!」 「雪はふりましたか?」 「これくらい」と親指と人差し指で3cmくらいを示してくれた。間違いない。初雪だ。中畑さんが「投稿してみたら」と薦めてくれる。「初雪」の第一報は、知人・友人だけだったが、中畑さんに促されて投稿してみようという気になり、地元テレビ局の投稿サイトへ写真を送った。まもなく、採用して夕刻の番組に使用するとの連絡がきた。

 番組が始まった。冒頭に「富士山に初雪」とのニュースとともに写真が映し出された。画面右上には撮影者として名前も入っていた。キャスターは「山梨県では雲に隠れて、まだ観測されていません」と静岡県の勝利宣言?まで飛び出した。県内他局はもちろん、全国放送もしていない特ダネだ。一番槍はうれしいものだ。
 
富士山からのご褒美に感謝 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?