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私が師匠に教わった、基礎的なデザインのお話。
私が小さな広告会社で働いていた時、『デザインの師匠』と心の中で呼んでいる人がいました。
今はもう縁が切れてしまっている人なのですが、デザインがほぼ独学だった私にとって、基礎を教えてくれた尊敬できる人です。
レイアウトの基礎を知れ。
恐らくデザインをしっかり習った人には当たり前のようなことも、当時の私は知らずにいました。
その師匠から、ため息交じりに教わったことがいくつかあります。
素材はまずラインに沿って並べろ。
並べた素材と素材の間は数値を揃えろ。
数値に小数点以下を極力つけるな。
ソフトのバウンディングボックス使って適当に拡大縮小角度調整するな。
一つの原稿でいろんなフォントデザインを使うな。
いろんなサイズのフォントを使うな。大中小でポイントを決めろ。
フォントは6ptより小さいのは使うな。(※印刷紙面の場合)
フォントを太くするのに線で太くするな。
長体平体は掛けてもどっちか一つだけにしろ。
極端な数値の長体平体を掛けるくらいなら、フォントサイズを変更しろ。
一つの原稿でいろんな色を使うな。色数を決めろ。
画面を全部使おうとするな。余白を活かせ。
デザインで遊ぶのは上記の事が出来てから。
画面を埋めるためのごまかしはデザインじゃない。
新しいことは臆せず取り入れろ。
こんなん適当でいいんや。←?
です。今思えば本当に、基礎も基礎ですね。
センスも無いのに基礎も無くて、ほぼイチから教えるような気分だったんじゃないかな、師匠。その状態で作ったものが会社の名前で世に出てるんだから、そりゃため息もつくわ。
試しに師匠に教わったことを(下二つはさておき)、念頭に置いてデザインするとあら不思議。なんかそれっぽい感じになるじゃありませんか。凄いな、師匠。(失礼)
デザイナーってなんだろ。
そもそもデザイナーとは何か、をそれまで考えたことが無くてですね、師匠がその話をしてくれた時に「なるほど」と思ったと同時に、それだけ曖昧な状態で仕事としてたのだな、と気が付きました。
デザイナーはアーティストじゃない。オペレーターとも違う。
オペレーターは指示通り、テンプレート通りに配置していく人。
アーティストは自己表現の末出来た作品で第三者から共感を得る人。
デザイナーはクライアントの声を聞きながら、第三者の目を引きつつ情報を的確に伝えて興味を持たせる(気に入る)ようにレイアウトする人。
もう教わってから随分と年月が経っているので、師匠の言葉そのままではなく、私の思考も大分混じっている言葉なのですが、概ねこのような事を教えて貰いました。
恥ずかしながら、それまでこんなこと考えたことなかったな、と。
じゃあそれまでの自分を振り返って自分がどういう存在だったのかな、と思うと、
>>>アーティスト気取りのオペレーター。
これだ。めっちゃ恥ずかしいヤツだ。
提出したデザインにダメ出しされて、思い通りの仕事が出来ないと愚痴を呟きながら、クライアントに言われた修正を何も考えずに反映させる人。
あーねー、もうねー。情けないよね?
それからはかなり考えてデザインのお仕事をするようになりました。
とは言え、あれから幾年月経っているというのに、未だちょいちょい「アーティスト気取りのオペレーター」が顔を出してくるので、自分で言うのもなんですが、相変わらずデザイナーモドキのまま今も生きております。
ごめんね、師匠。
でも師匠の教えはめっちゃ役に立ってます。
余談。
私は師匠に教わったことを基準としてこれまでお仕事を熟して来ましたが、これが絶対とは思ってないですし、他のデザイナーさんは違う基準で熟している方もいらっしゃると思います。
現場が違えば基準が変わることもあるでしょうし、時代によって変わるものもあるでしょうしねぇ。アプリ(ソフト)の進化で変わる基準もありそうですし、発信の媒体で変わる基準もあると思います。
わかりやすいところで言うと、昔ながらのパチンコ屋の虹色ド派手ちらしは、デザイナーが嫌がるデザインだと言われたりしますが、あちらの方が効果が出る場合もあるんですよね。なので本当にケースバイケース。
とは言え、デザインすることに迷いのある人がこれを見た時、ちょっとでも助けになるといいな、とも思っております。
なので箇条書き部分については、自分のためにも、もうちょっと詳細を記録していこうかなと思っています。興味のある方はフォローして戴けると幸い。
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