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ツレへの理解度をラーメンで測る。

 その日、私が読んでいた小説は、カップルがインスタントラーメンを作る可愛いストーリー。
 ラーメンを作る描写が丁寧で、私の食欲を直撃してくる。
 所謂“飯テロ”に遭遇してしまった。

「そう言えば、買い置きしたラーメンの袋があったはず。いつだっけ?」
と思って探しに行くと、味噌ラーメンの袋が二つ。
 以前、私が衝動的に食べたくなって購入したものの、その日の献立は以前から決まっていたので明日以降ね、なんて思っていたら、ズルズルと食べるタイミングを見繕えず、その果に忘れてしまっていたもの。
 はて、賞味期限は?と慌てて確認すると、なんと残り六日。
 これは、小説様々と言いたい。
 恐らくお話を読んでいなければ、賞味期限切れに気がつくのは、もっとずっと後だったはずなので。
 さて、これは早々に消費しなくてはいけない。

 ところで、ツレは先日よりダイエット中。
 一応「どうする?」と聞けば「勿論食べないよ」との答え。
 まぁそうだよね、これはもう二袋とも私の胃袋に入ること確定です。
 でも私だってダイエットしたいのよ。
 小説内のように野菜を入れて罪悪感を減らしたとて、やはり一玉分の麺に感じる罪悪感に勝てる訳もなく。

「ねぇ、物語の中でカップルが半分個にして食べるシーンがあったんだけど。おんなじようにしない?」

 ダメ元で聞いてみる。
「しない。野菜だけ貰うわ」
 悲しいくらいに即答。
 まぁね、貴方はそういう人ですよね。知ってた。
 私もダイエットしたいんだけどなぁ。そう思いながら翌日のラーメンには野菜と卵とウインナー二本。
 勿論ツレは、野菜だけを食べました。

 大丈夫、私はツレを理解してる。


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三稜@からころくるり
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