詳細記録|舌癌ステージ1の切除手術を終えて(2024.1)
はじめに
2024年1月に舌癌(ステージ1)切除手術をしました。
当時、はじめての手術に、
「全身麻酔が解けた瞬間どんな感じか」とか
「鼻とか尿道とかのチューブは痛くないか」とか
どんな感じか気になって、
たくさん検索したりブログ読んだりしていました。
同じように、検索してる人がいるかもと思って、
私の場合の記録も(自分で忘れないためにも)
ここに細やかに書いておこうと思います!
切除縫合手術の選択。
私の場合は、
2年前、コロナになったことをきっかけに、
免疫力が低下し後遺症が長引き、
不調が続く中でできた"小さな口内炎"が始まりでした。
舌の右側面の奥の表皮に
1cm程度白くなっている箇所があり、
歯医者で扁平苔癬と診断されました。
半年以上、対処療法(軟膏や口内サプリ)
を行っている状態でしたが、
なかなか治らず、次第にそこが硬くなったため、
大学病院へ紹介状をいただき、
その後、右舌癌(ステージ1)と診断されました。
ちなみに、歯医者や大学病院は複数行きました。
舌癌となったのは、
口内炎ができてからは一年後のことです。
前々から扁平苔癬のことを
"前がん状態" "難治症"
などと聞いていたので、
突然癌だと発覚するよりは驚きませんでしたが、
それなりにショックでした。
主治医より、治療には
・放射線治療
・切除手術
の2択を提示されました。
ステージ1で範囲が狭いので、
放射線と切除のどちらを選んでも
効果は変わらないとのこと。
放射線による体への影響と、切除の後遺症、
両方のデメリットを比べて切除を選びました。
まだ小さい範囲なので、切除しても
話しにくさや食べにくさも大きくないだろう、と。
該当箇所を切除し、糸で縫合をする手術で、
術後1日経過後、食事ができると言われておりました。
術前、MRI検査や血液検査、
胸部レントゲン、入院オリエンテーションなどを受け、
これから起きる初めての経験に
少しワクワクできるくらいの精神状態でした!
1番怖かったのは、チューブ挿入。
手術に備えて色々調べる中で、
体にメスが入ることより、
体にチューブが入ることの方が、
私はなんとなくぞわぞわする思いがありました。
手術中は、呼吸のために、鼻からチューブ、
それから膀胱にチューブが入ると聞いておりました。
鼻からチューブのほうは、
「目が覚めたときにも外れているのか」
「それとも意思があるときに抜かれるのか」等々
麻酔科の先生に質問攻めをしました。笑
意識朦朧としているときに抜くそうで、
覚えている人と覚えていない人がいるようです。
私の場合は、麻酔を入れてすぐ眠り、
体感ではその2秒後位に「〇〇さん、終わりましたよ」と声がかかり目が覚めました。
起きた瞬間に チューブは!? と思いましたが、笑
心配なく、知らぬ間に抜けていました。
それぐらい異物の挿入が怖かったのです。笑
同じような方はいるのだろうか、、、
手術を心配してくれた友人にも、
チューブが怖い!って言ったら、そこ!?
と言われました。笑
膀胱のほうは、麻酔科の先生と相談し、
膀胱炎などの合併症なども不安であることを伝え、
手術時間は1時間+術後安静にする数時間、
このくらいなら我慢できる!と言い、
挿入なしにしていただきました。
たまにそういう方もいるみたいなので
必要ない方は相談してみたらなしにしてくれるかも。
1番辛かったのは、食事。
午前中の手術のため、当日の朝ごはんは摂れず、
トータルすると30時間以上食事できません。
私は食欲旺盛で、
昔から食べることが大好きだったので、
たった1日でも食事ができない事に
すごく切なさを覚えていました。
舌のありがたみを本当に感じる始まりの日... 笑
手術をした当日は、なんとか空腹に耐え
(痛みより空腹が辛かった人)
翌朝、おかゆを中心にした柔らかい食事が出ました!
舌の具合は、痛みはもちろんですが、
"動かせない"のが1番不便でした!!
咀嚼することや顎を動かすことは問題ないのですが、
舌の上に乗った食べ物を自力でずらせない。
なので、一噛み毎に、箸で食べ物を歯の上に乗せ、
また噛んで、箸でずらして、、、、という感じ。
舌の裏とか唇と歯茎の間に入った食べ物は、
箸ではとれないので、水を飲む。
おかゆや炒り卵みたいに細かいものは
口の中でいろんなところにいっちゃうので
ものすごーく食べずらい!!
痛いし食べずらいけど、食べたい思いが勝つので、
1時間以上かけてゆっくり食べてました。
(途中、何度も下げますか?と来られる。笑)
隣のお部屋の患者さんが、
毎日ご飯を楽しみに看護師さんと会話していて
「今日は角煮ですね!」とか
「海鮮焼きそば楽しみ!」とか言ってて
私はお粥飯なので、
うらやましい!!食べたいーーーー!!
心の中で叫んでいました...
術後4日目には、通常の食事になりましたが、
痛みや食べづらさはほとんど変化無し。
退院後に迎えにきてくれた母に
「何食べたい?」と言われ、
「角煮!!!」と即答。笑
【術後しばらく、食べずらかったもの】
・トマト(ころころ転がせない)
・トマト系のソースは傷にしみる
・ヨーグルト系の飲み物をストローで吸えない
(舌が吸う時の筋肉を使えない)
・米や炒り卵のようなポロポロしたもの
(口の中のいろんな間にはまって取れない)
私は切除範囲が狭かったので、
すぐにご飯を味わえて本当に幸運だったんだなぁと、
食べ物のありがたみが染みわたる思いでした。
術後の状態と、痛みについて。
麻酔から覚めた時、
チューブが抜けた安心感とともに、
"息のしずらさ"があって、つらかった、、、!
鼻からチューブが入っていたから
粘膜が刺激されていたようで、その影響みたい。
鼻呼吸も口呼吸もしずらくて、
鼻水を吸引してもらったり、
ベッドの頭の位置を上げてもらったりして
楽になるまで数時間かかりました。
手術直後から、発声もできて、
話しにくいけど、要望を伝えたりして、
聞き取ってもらうことは問題ナシでした!
術後の舌の痛みは、我慢できる程度でした。
(私は痛みに強い方なので、もっと痛いと感じる人はいるかも)
痛み止めのロキソニンもしくはカロナールを飲んで、
切れてくるとやはり痛いし、患部が熱を持つ感じ。
術後の数日後から顔が腫れて
カエルみたいに二重顎になりました。笑
1週間後の退院時には顔の腫れは引いてました。
抗生物質の点滴は3日ほど続き、
"体に何か挿入されてる"が恐怖の私は
点滴の針も嫌で、後半量が少なくなってからは
挿しっぱなしではなく、
都度打つかたちにしてもらっていました..
あと、術後から1週間くらいは
微熱(37度前半)が続いていて
常にぼーっとする感覚でした。
全身麻酔の影響かな?と。
もともとインドアが好きな私なので
ベッドにいることは苦ではなかったので
入院生活は比較的穏やかに過ごせました。
暇つぶしグッズもたくさん持ってきていて、
ゲームをしたりNetflixを見たり
オンラインスクールで勉強したり...
でも頭がぼーっとするので集中は続きませんでした。笑
毎日、家族や恋人がお見舞いに来てくれるので
会っておしゃべりするくらい、元気でした!
話しにくさと、退院後について。
術後すぐから、
話すことはできましたし、
聞き取ってもらうことはできました。
でも、舌が動かせないのでやはり話しにくい。
カ行の発音がしにくかったり
母音にイがつく言葉はすべてイになってしまうような
話しにくさがありました。
先生からリハビリの説明書をもらい退院しました。
退院してから1週間後、
なんと傷口がパッカーンと開いてしまい...!
(痛みは大したことありません)
先生曰く自然にくっつくとのことだったので
放置しているうちに数週間で綺麗に閉じました。
傷口が開いたことで、
良いのか悪いのか舌が突っ張らなくなり
筋肉が動かしやすくなったことで
一気に話しやすくなったような気がします。笑
ずっと話しにくいままなんだろうかと
不安になった時もりましたが、
あっという間に元通りにしゃべれるようになりました。
本当に感謝です。
話せること、食べられることのありがたみ
わたしは良く喋るし、よく食べる🙋♀️
当たり前のようにしていたことだったけど、
人と話せることも、美味しい食べ物を食べられることも
本当にありがたいことだと心から感じました。
それから、同じ病棟には
同じように舌を切ったんだろうなという患者さんの他、
歩くのに苦労してる高齢の患者さん、
痛み止めが効かず痛みに苦しむ患者さん、
たくさんの患者さんと会うので、
トイレまで1人で歩けることも、
痛み止めを飲めばご飯が食べられることも、
毎日だれかと電話ができることも、
着替えやお風呂に困らないことも、
助けを求められる家族がいることも、
そばにいてくれる人がいることも、
本当に、ありがとうの思いが増える日々でした。
同時に、
わたしのまわりの家族や友人たちが
みんな健康で元気に過ごしていることにも
当たり前のことではないと思えて、
今まで以上に嬉しさを感じるようになりました。
今まで考えたことのない
"長寿"についても考えてみたり、、、
いろいろ心が動いたことは書き切れない!
「これからも何が起こるかは分からないし、
嫌な気持ちに負ける時はあるけど、自分にとって
不必要な事はないんだろうなぁと思ってる」
↑当時の自分の言葉。
その後についても、また更新します!