世界観にドはまりし、涙した「風のクロノア」
「風のクロノア」が発売される97年当時、ワタクシはネット系ゲームメディアに勤めていまして。たしか10月頃にナムコさんから開発中のROMが届きました。
「風のクロノア」の発売予定となってる97年12月といえば、同年の東京ゲームショウで話題をかっさらったグランツーリスモに期待が集まり、その他のゲームタイトルはメディアとしてあまり力を入れてなかったかもしれません。そんな中、12月発売の記事書かなきゃなぁ、と、クロノアのROMを起動したら…
…今までプレイしなかった事を後悔しました。
主人公クロノアを始めとした、愛くるしいキャラクター達の動きや仕草など、背景やキャラクターの細部に至るまで作り込まれた世界観。2Dアクションでありながら3Dの良さと奥行きが融合した見事なゲームデザイン。簡単な操作方法なのに、やり込むほどにスマートにかっこよく、アイテム収集コンプリートしたくなる絶妙な難易度。そして「夢」というキーワードが織りなす衝撃のエンディング。ゲームのエンディングでマジで涙したのこのタイトルが多分初。
このタイトルが発売される前はもちろん、発売後の後追いでも良いから、とクリエイターである「よしざわひでお」さんに取材に行こうと思ったものの、ゲーム内容を知らずにインタビューに行っては失礼だ、やりこんでいろいろ突っつきたい!と意気込んでましたが、企画を通せぬまま時間が経過、夢は夢のままでした(苦笑
その後、Mr.ドリラーのPS版発売前の販売業者向け展示会で、自分はバイヤー、よしざわさんはソフトの説明員として初めてお会いし、ナムコを辞め独立されてからは、Twitterで明かされる「風のクロノア」「Mr.ドリラー」などの裏話に一喜一憂するなど、ワタクシは勝手によしざわさんに親しみを覚えてます。
「風のクロノア」の話に戻ります。このタイトルの評価で面白いのが、業界な人も意外とワタクシみたいな感覚だったのか、ナムコさんの「風のクロノア」のリレーエッセイの最終回のよしざわさんのこの部分
クロノアは不思議なソフトで、発売前はいくら雑誌に載ってもHPで紹介しても、体験版を配布しても、なかなか盛り上がりが見られず、スタッフ一同歯がゆい思いをしていたのですが、発売後にぽつぽつとメールやニフティの書き込みなどが増え出したのです。また、発売前には各雑誌社さんにあまり注目されてなかったようですが、発売後1ヶ月近く経ってから「年末の慌ただしさも過ぎ、新年を迎えて落ち着いたので買いだめしたソフトをやってみるかとクロノアを始めてみて、驚いた」みたいな再評価記事があちこちに載ったりもしました。見付ける度に感慨深いものがありました。
当時みんな忙しかったけど、出来のよさに感動してたのねーと。
感想といえば、当時ファミ通編集長だった浜村光一さんが、週刊ファミ通でのコラムで述べていた「風のクロノア」の感想が、自分とかなり近い内容で「ワタクシの感覚間違ってねぇよ! 浜村さんと同じだぞ!」って心に刻まれたのでありました(笑)
実際、「風のクロノア」は家宝として保管してます。ディスクはもちろん、PSVitaで遊べるアーカイブスでいつでも遊べるようにしてますし、PS2の風のクロノア2、ゲームボーイアドバンス版やワンダースワンなども地道に探してたりします。Wii版も含めて揃えなきゃ!と思い出すんですがね(苦笑)
いつか、よしざわさんとリアルにお会いして、クロノアについてお話したいな。そんな思い出のゲームです。
note書くにあたっていろいろググってたら、今でもwebコンテンツ残ってるとか神だろバンダイナムコ様。