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「相手にリクエストする」ならこんなところに気をつけて!


先日から4回に分けて、気持ちが整ってモヤモヤがおさまるコツをご紹介しています。

前回の内容を少しおさらいすると…
気持ちを整えていく時にはNVCの4つのステップを意識していく、というお話をしました。


この4つのステップとは、

観察
感情
ニーズ
リクエスト

なのですが、今日は最終回。


「④リクエスト」のステップについて学んでいきましょう。

※前回の「③ニーズ」についてはここから読めます。

この「リクエスト」に関して、こんな感想をいただくことがとても多いです。

・「どうやって伝えたら子供はわかってくれますか?」
・「リクエストしても結局断られました」

私も最初の頃そうだったのですが、「リクエスト」と聞くと「相手にこちらの要求をのんでもらえる方法」みたいに思いますよね。

ですが残念ながら…私たちは相手の行ないを変えたり、思い通りに動かすことはできません。

でもぜひ、がっかりせずに読んでくださいね。


まずは、こんなイメージをしてみてください。
あなたには上司のAさんとBさんがいます。

そしてこのAさんとBさん、実はあなたが本来休みの日に、なんとか出勤してもらいたい!と思っています。

上司Aさんは、こう考えています。
「どうやって伝えたら〇〇さん(あなた)は出勤してくれるだろうか。確実に出勤してもらう良い言い方はないだろうか。」

そして上司Bさんは、こう考えています。
「出勤して欲しいけど本来休みだし、〇〇さん(あなた)にも何か大事にしたいことがあるだろう。まずはそれを聞いてみてから相談しよう」

さてあなたは、上司Aさん、上司Bさん、どちらの依頼をスムーズに受け取れそうですか?

きっと、上司Bさんの方ではないでしょうか?

そして、”こちらの都合や思い、大事にしたいことに配慮してくれる姿勢がある人”になら協力してもいいかな、と思えたりもしませんか。


つまり私たちがこの「リクエスト」のステップを行なう場合。
「相手のニーズ」も想像する、受け取ろうとする姿勢が大事になってきます。

NVCの「リクエスト」は自分の要求を通すための方法ではなく、「自分も相手も犠牲にならない方法を探す」ためのものだからです。

それではここで、例を用いてみます。
これまでやりがちだったコミュニケーションと、NVCのここまでの4ステップを行った時の違いをまとめていきましょう。

<これまでのコミュニケーションの場合>
状況:「子供が夏休みに入ってから一日も勉強をしてない」

お母さんの主観:「また今日も勉強してない!」

お母さんの気持ち:「見てるとイライラする!」

声がけ:
「ねえ、全然勉強してないよね?いつするの?」(決めつけ・強要する)
「こんなんだったらゲーム禁止にしようかな」(脅す)
「勉強したら動画OKにするよ。それまでスマホ預かるからね」(交換条件)
「いい加減勉強やりなさい!」(叱る)
「勉強したら美味しいもの食べに行こうか」(ご褒美)

<NVCの4ステップの場合>
観察:「子供が夏休みに入ってから一日も勉強をしてない」

お母さんの感情:「落ち着かない」「ピリピリする」「気になる」

お母さんのニーズ:「明確さ(やる気はあるのか、いつやるのか知りたい)」「自立(言われなくても自分からやってほしい)」「心の平安(ヤキモキしないで過ごしたい)」

まずここまでの3ステップで、自分の気持ち、大事にしたいことが整理できますよね。

そして次に、子供の内面で起きていることを想像してみます。

子どもの感情:「悩んだ」「やる気が出ない」「解放された」

子どものニーズ:「楽しさ(思いっきり遊びたい!)」「明確さ(実は苦手な科目があって、解き方わかんないんだよなあ…)」「支え(誰かと一緒ならできるんだけどなあ…)

ではここまでをふまえて、リクエストを考えてみましょう。
「お母さん、あなたがいつ勉強するのか気になってるんだよね。このままヤキモキするのがしんどいんだけど、勉強する上でなんか困ってたり、自分なりに予定してることってあったりする?もしあれば教えてもらえるとお母さん落ち着くんだけど…どう?」

さて、いかがでしたでしょうか?


NVCのやり方、長い!
難しい!
ここまでを一人でやるなんて無理!

と思われたかもしれません。

そうなんです。
実は「リクエスト」は一番難しいので、NVCに慣れるまではあまりやらない方がいいです。

しかも相手を変えたい、どうにかやらせたい、と心の奥底で思っているうちは、やっぱり相手に届かないんですよね。
(私も最初はうまくいかない連続でした…)

ですが、もしあなたがこの「自分の気持ちを整理する」ができるようになるだけでも、イライラは無くなるし、子どもに余計な一言を言ってしまうこともなくなります。

だからこそ、NVCを相手に対して生かす前に、自分に対して生かす。
まずそこから始めてみるのがおすすめですよ。

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MIKU|大切な人にイライラしてしまうお母さんのための、自分も相手も大切に出来るコミュニケーション
いつも温かいサポートありがとうございます。 あなたにとってここが「そうか、これでよかったんだ」と思える、ふわっとしたピンク色のような場所になってくれたら。 これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。