見出し画像

知らなかった。

☆今日は実話系怪談です。苦手な人は別の日にお会いしましょう。

女友達と出かけた一泊旅行で

今から12、3年前,以前から行きたいね!と話していた,福井旅行に,6月末に,友人と2人で行く事になった。
お昼12時に駅裏ターミナルに待ち合わせ,私はペーパードライバーなので,友人が運転してくれる車に乗って出発した。
東尋坊に寄って,宿に行く予定で,土曜日にも関わらず,車は渋滞に巻き込まれず,順調に夕方6時に着いた。

私のイメージでは,怖くて,裏寂しい所だと思っていたが,意外にも東尋坊タワーがあったり,サンセットクルーズ船があったり,観光客がたくさんいる普通の観光地だった。
友人が,日没に合わせてくれたおかげで,きれいな夕焼けを見られた。
さすがに,反対側の公衆電話がある道の方は,人がほとんど居なくて,切り立った断崖が続き,写真は撮らない方が良いと思い,撮らずにすぐ車に戻った。

友人が,
「すぐ近くにさ,もっときれいな日没が見られる場所があるんだって。せっかくだし,行ってみない?」
「宿に行くだけだし,行ってみようか。」
車で二、三分の所にあるその場所は,パーキングから少し歩いて,赤い橋を渡って行く小さな離れ小島だった。
島には,一周出来る道があって,神社と,よくわからない建物がいくつか建っていた。
私達は,半時計周りに道を進み,島の入り口の真裏の場所から日没を見た。
キラキラ光る波に照らされて,東尋坊から見るものとはまた別の美しさがあった。
そこから,戻らずに進み一周して,島の入り口に向かった。


赤い橋を渡り,パーキングに向かう途中,家族連れとすれ違った。30代半ばの普通のサラリーマン家庭の夫婦と,小学5年くらいの女の子,小学3年くらいの男の子の4人家族だった。

島の道が整備されていなくて,蚊がたくさんいて,2人共足がかゆくて,早く宿に行きたかったため,その家族をなんとも思わなかった。
宿には,連絡を入れてあり,7時に着いた後,先にお風呂へ行き,ご飯を食べた。
旅行はトラブルもなく楽しい時間を友人と過ごした。

旅行に行ってから2年後くらいに,ネットを検索していた。東尋坊の後,行った島の事が,書いてあった。
島の名は,「雄島(おしま)」。

観光地でもあるが,有名最恐心霊スポットでもあった。
自殺遺体が流れ着く場所とか,島の建物は遺体安置所とかのうわさがあった。
しかも,半時計周りにまわると祟りがあると書いてあった。
友人は怪談嫌い,私はまだガラケーで検索機能が充実してなかった。
そんな場所なんて,全然知らなかった。

じゃあ,あの家族は,暗くなりつつある赤い橋を渡って,午後7時ごろなぜあんな場所に?
午後7時といえば,宿は食事時だし,食事を遅らせてまで,子供を連れて行く場所でもない。
しかもまわる方向を間違えると,祟りがある場所に子供をわざわざ連れて行くだろうか?
若い家族連れならともかく,落ち着いた会社員風の夫婦だったし,心霊スポット探訪でもないなら,何しに行ったのか?疑問が残る。

もしかしたら,亡くなった家族の最期の記憶がそこに残っていて,私がそれを見てしまったのかもしれない。


☆コワイ話を書いていますが,その土地を愛する人を傷つける気持ちは全くありません。福井県は好きですし。
雄島,今は,きれいに整備されています。
きれいな場所ですので,訪れてみてください。
noteのクリエイターさんの雄島の記事もぜひ。





いいなと思ったら応援しよう!

旅するかえるこ
最後まで,記事を読んで頂きありがとうございました😊また,もし良かったら,遊びに来てくださいね!