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#昔の恋バナ♡〜駆け落ち〜


☆私が実際に体験した話です。

私は,子供が赤ん坊の頃,前日書いた父親が違う子供を3人産んだ,母のすぐ上のおばのスナックで働いていました。
今と違ってまだまだ,落ち着いてもいず,迷い多き頃でした。

仕事は,毎日お店に7時スタートで,おしぼり巻きから,塊の氷をアイスピックで割る事など,裏方の仕事から,お客さんの相手,お見送り,帰ったら,席の後片付けまで,遅い時は明け方まで働いていました。

お偉いさんのパーティーや,イベントなどに呼ばれて,そのパーティーのコンパニオンをして,お店に来て頂く時もありました。

今は,市議会,県議会,国会議員から何回か大臣を経験して,テレビの討論会に出たり,ニュースにも出たりする有名な方がずいぶん若い時にお店に来ていて,
議員の一族で後継者になれるか,なれないか,
わからない頃の彼が,議員の会社のペーペーで手伝いをしていた頃,
地元で有名な議員の姉に当たる実の母親から多分仕事の事で,叱られて,涙していたのを見たことがあります。

もう一つ,
地方のとある青年のグループ内で,まさか将来,有名な大臣になるなんて知らなかった人達が,彼をよくイジっていたんです。
良くないあだ名をつけて。
私が見ててわかるくらいだから本人もわかってたと思うけれど。

あー多分あの時に,イジっていた人達は,彼が大臣になった時に,仕事の恩恵は受けられなかったんだろうな,と思います。

知り合いから,彼となんで付き合っておかなかったの!って言われたけど,私も将来,まさか,有名な大臣になるって思わなかったもん。議員にはなると思ったけど。
肩書きで,男の人と付き合わなかったし。
(今はちょっと考えるけど。)
若い時,一緒にお祭りで撮った写真がどっかにあるんだけど,どこかわからない。
でも,クリスマスか誕生日に,男性用の靴下あげた事あります。
仕事の愚痴の話はたまに,聞いてたんで。
で,本名じゃなくて,下の名前に〇〇××に,ピーつけて
テレビに出ると,〇〇ピーだ!って言って,
地元の後援会に叱られるぞーって,ダンナによく言われてました。
これは思い出した話で,余談ですが(笑)

本題です

ある時,お客さんが自分の店の部下を連れてきました。
彼は,県外のY市から来た人でした。
Y市は,父が生まれた市で,父方の祖父の妹,父からすればおばさん家族が暮らしていて,
私の両親は,その家族にお世話になり,Y市で,結婚式や披露宴パーティーの段取りをしていただいたのです。

私の両親は,父は北海道,母は金沢奥能登の小島の出身ですが,たまたまその時,父の両親と妹2人が東京の品川に暮らしていて,Y市で結婚式をしたのです。
私もY市の親戚の家に,小さな時に祖母と,何回か行った事があり,泊まらせて頂いて,可愛いお土産までいただきました。

そういう経緯もあり,Y市の話で盛り上がり,意気投合しました。
年齢は7つ上で,見かけはメガネをかけた地味な顔の人でしたが,仕事柄,服装はかなり自由だったので,まあまあかっこよく見えたんです。

話を聞くと,彼は,Y市の家具屋さんの愛人の子供で,中学生の時に父親がどこかの電柱で首吊り自殺して,
身元確認はなぜか愛人の子供の彼がしたそうです。
その後すぐくらいに,実母がガンで亡くなり,彼は中学卒業するまで施設で育ち,そこから中卒で働き始めたそうです。

今となってはどこまでが本当かわからないんですけど,生い立ちはある程度本当のような気がします。

その後,ある女性と知り合い,結婚,子供を何人かもうけますが、いろいろあって離婚,養育費は払っていたそうです。
で,なぜかそこから,海外の外人部隊,いわゆる
(傭兵)に入って働いていたと話していたんです。

傭兵
傭兵は、金銭などの利益により雇われ、直接に利害関係の無い戦争に参加する兵またはその集団である。

Wikipedia


まだウクライナの戦争もなく,傭兵って何?って感じだったんですが,
付き合いはじめの頃の彼は,仕事は会社員ではありませんでしたが,そんなに変な感じもなく,お金もきちんと払い、飲みに来ても迷惑かける人ではありませんでした。
お互いに,その頃は孤独感があったので,そういう所にも惹かれたんでしょう。

私に子供がいると話しても,僕にもいるから同じ,気にすることない,反対に,もし,お店に借金とかあるんなら,僕がきちんと払うからと言っていました。
もちろん,おばの店ですし,クラブやキャバクラでもないから借金はないよって,言いましたけど。

店に通ってくれて,入店前に,店の近くの喫茶店で待ち合わせて、会って話して,私は仕事,向こうは後で店に来るみたいなのをしばらく続けていたら,
私の母がわかって,大反対し始めたんです。
まあ,仕事が会社員ではないし,他県から流れて来た人だし,バツイチで子供がたくさんいるみたいだし,どういうことなの!って感じで。

私の母は,子供の恋愛になるとなんかおかしくなる人で,主人の時も,結婚するまでは良かったけど,結婚したら毎日電話でアパート呼び出されて,ひどい事言われました。

その時も,母に毎日,わーわー言われるし,まだ母がおかしいってわからなかった私と彼は追い詰められて,子供連れて,Y市に駆け落ちしようって話になった。
荷物や,お金や,どうやって駆け落ちするかとか,毎日,お店で内緒で話していたんです。

おばはある程度わかってたみたいですが,自分も三年くらい行方不明になってたり,恋愛遍歴豊富な人なので,
ギリギリでストップかけるつもりだったみたいです。

で,ストップかけられて,一応,おばが間に入って,彼と私がきちんと結婚前提に付き合うように母に話をつけてくれました。

その頃,私の高校の時の友達も違うスナックにアルバイトしていて,彼がその店にも行っていました。
私の友達に,結婚話が出て油断したのか,彼がいろいろ話した話に,私から聞いた話と食い違う話がある。
気をつけた方が良いと友達がアドバイスしてくれたんです。

おばも,健康保険証と免許証を見せろって言って,私と2人で確認しました。
その時は,きちんとした本人確認できるものでしたし,おかしい感じはありませんでした。

でも,だんだん,彼の話がおかしいと思うようになったんです。
結婚と子供の年齢と傭兵に行っていた年数と今の年齢が合わないんじゃないかとか,傭兵に行っていた時の話とか。

それと,その時代,バタフライナイフの犯罪がたくさんあったんですけど,彼ナイフマニアで自分でナイフ作れるくらい手先は器用でした。
小さなナイフのペンダントや,アクセサリーとかも作るのは上手くて,それは本当の腕前でしたが,青龍刀みたいな大きなナイフや,いろんなナイフをいつも持ち歩いている人でした。

怖くなった私は,別れ話をして別れたいと言いました。
でも,何度話をしても,彼は納得しないんです。
別れても僕達ずっーと,友達だよねって言って普通に店に来るし,電話(当時は家の電話☎️)は来るし,家の近くに来るし,誕生日プレゼントに大きな宝石箱とか持って来るし。
完全にストーカーでした。
本当に怖かったし,ちょうど仕事を昼に変えようと思ってたとこだったので,スナックを辞めて,家も,保育園近くに引越ししたんです。

おばに後で聞いたら,三年経っても,まだ私を探していたようです。
三年後にもプレゼントをおばから預かったと渡されました。
あの頃は,全然お金も無くて,子供もいたし,騙してヒモになるつもりにしては,身内がいっぱい周りにいるし,父も生きてたし,私は割が悪すぎます。
なんで探してたのか?謎なんです。

今は,もう地元にはいないみたいですけど,似た人を見るとちょっとびっくりします。

で,何年か経った時に,新聞下の本の広告で,彼の名前を見つけたんです。

伊達邦彦

主人公 伊達邦彦 
大藪の処女作、「野獣死すべし」から晩年の作品まで断続的に登場する。なお、伊達が犯罪に手を染めるまでの半生は、作者自身のそれと重なる部分が多い。
経歴編集

引用 Wikipedia

生年は第二次世界大戦前。ハルピン生まれ。父英彦、母(名前不明)、妹晶子。英彦は精油会社を経営していたが、邦彦の物心つく頃には既に乗っ取られて建設関係の官吏となっていた。英彦は兵士として狩り出される。平壌で終戦を迎えるが、帰国船をよこさない日本政府にしびれを切らし、家族とともに日本人集団で船を借り、仁川まで脱出。徒歩と車で釜山まで辿り着き、船で佐世保に着く。電車に乗って故郷四国に帰り、先に復員して県庁の土木課長となっていた英彦の出迎えを受けた。
名門高校へ進み、新聞部で天皇を罵った記事を書くが、没収されて校庭で焼かれ、一週間の停学を食らう。この頃、英彦が死亡。演劇部へ入り、複数の女性と関係。特に新納千佳子との恋と別れは痛手となる。千佳子が服毒自殺を遂げ、葬儀車を見つめているとき、初めて「野獣死すべし」の不気味な不協和音の幻聴を聞いた。

引用 Wikipedia


免許証も,保険証もこの名前で,偽造したような感じもなかったんですけど,
本名なら,映画や小説の中の経歴とかと,彼の話していた本当かウソかわからない経歴と,伊達邦彦とピッタリ合う偶然がちょっと怖いし,

もし,免許証も保険証も伊達邦彦に偽造したものなら,そこまでして,伊達邦彦になりきる彼の精神と,ナイフの収集,あのストーカー行為が重なって,かなり危ない人だったということになります。

もし,あのまま彼と,子供を連れて駆け落ちしていたら,今頃私はどうなっていたんでしょうか?
どこかに売られてた?
殺されてた?
なんでずっと探されてた?

も一つ,付き合いはじめに言われた事,
「俺の後ろに立つな。」
私,若い頃,リアル ゴルゴ13と駆け落ちするところでした(笑)





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旅するかえるこ
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