interview 映画監督 行定勲さん
又吉直樹さん原作の映画「劇場」が4月に封切り予定だったものの、
新型コロナウイルスの感染拡大によって延期に。
公開が待ちどおしい。
私は試写で先に拝見し、行定勲監督にインタビューをした。
個人的には、三浦春馬くんが主演した「真夜中の五分前」が大好きだったので、お会いできるのが、とてもうれしかった。
ラブストーリーを得意とする行定監督が、
又吉さんの原作に惚れ込んで撮ったのが「劇場」。
演劇人としての成功を目指してあがく主人公(演じたのは山﨑賢人さん)とクリエーター志望の若い頃の自分が重なったからーという「惚れ込んだ」理由は、とても理解できる。
もう一つの理由は、この物語が、どこにでもいる若い男女の「どうしようもない恋愛」を描いているからだという。
例えば、教師と教え子の不倫の恋を描いた「ナラタージュ」(2017年)のように、2人の恋愛に壁があるわけではない。
頑張れば、結ばれるのかもしれない。
だけど、擦れ違ってしまう。
そういう、普遍的な男女の「ままならなさ」が、
作品の中に色濃く表現されている。
インタビューの中では、「演劇」と「映画」の自由度についても話が及び、
興味深かった。
舞台演出家でもある行定監督にとっては、演劇の方が自由度が高いという。
舞台上の登場人物が「ああ、海が見える…」と言っただけで、
観客は、たとえ素舞台だとしても、そこに「海」を認識するからだ。
リアリティーを求められる映画には、それは難しい。
…そういう話を頭の片隅に置いて、「劇場」を観ると
とても面白いと思う。
インタビュー記事↓