みこと

1日1本、映画を観ています。 おもにホラーやパニックなど、実生活では得られない刺激をもらえる作品が大好物。「映画の感想」や「ふと考えたこと」などを思いつくままに書いていきます。

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1日1本、映画を観ています。 おもにホラーやパニックなど、実生活では得られない刺激をもらえる作品が大好物。「映画の感想」や「ふと考えたこと」などを思いつくままに書いていきます。

最近の記事

怖い人をシュンとさせてしまったはなし

ある村にオオカミがあらわれる。羊飼いの少年は大人たちに助けを求めたが、誰も助けにきてくれず羊は食べられてしまった。なぜ大人たちはかけつけてくれなかったのか……。 それは、日ごろ羊飼いの少年が 「オオカミがきたぞ! 全員集合!」 「実はきてないぞ! 解散!」 と嘘をつき大人をからかっていたからだ。「嘘つき」の名をほしいままにした少年の言葉は誰からも信用されなくなっていたのである。 これは「嘘をつき続けると、本当のことであっても信じてもらえなくなりますよ」という教訓を示

    • そのハンコ透明につき

      職場に見えないハンコがある。 なぜ見えないのか? 透明すぎるからだ。 透明すぎるハンコは主任から指示を受け、わたしが選び購入したものだ。 透明でなくてもよかったのだけど、ごくありふれたハンコだとお値打ち価格すぎた。リーズナブルで何が悪いかというと、2000円以下だと送料が発生してしまう。 先輩からは「送料がかからないよう工夫してね」と教えを受けていて、その先輩もまた先輩から「とにかく送料無料でよろしく」と言われたらしい。 そんなわけでノーマルタイプのハンコでは力不足だ

      • ホコリまみれのサーキュレーターがスティーブ・ジョブズ氏の名言を自分事にしてくれた

        猛暑の夜。 風呂上がりのサーキュレーターが最高なのはご存じ? まだ4月だけれど「桜が散ったから、もう夏に設定しておきました」というぐらいに立派な暑さ。なのでサーキュレーターをリビングの目立つところにひっぱりだした。 このサーキュレーターとは今年で3年目の付き合いになる。ぱっと見は出会ったころとなんら変わりなく白く清潔。でも顔を近づけてよく見れば白いけど薄汚れていた。隙間という隙間にホコリをたっぷりとたくわえている。 隙間という隙間をウエットティッシュで攻めに攻めて 「ま

        • 顎がビッグバンをおこしたはなし

          これは、 「ちょっと歯が痛い気がするんだよねー。近いうちに歯医者へいってみよう」から 「もしもし。予約をお願いします。できれば今日。何時でも伺いますからああああ!」 に激変した激痛の3日間の記録だ。 day1 /近所の歯科 「なにもないね。虫歯はないよ」 先生は少し不機嫌になった。 「痛い痛い」とさわぐから、予約と予約のわずかな隙間に無理やりねじこんでやったのに、実りのない口腔内だったからだろう。 「でも。すごく痛いんです。今は落ち着いていますけど……」 「今、落ち着

          とりあえず世界のせいにする

          「いきなり後ろにいたから驚いた」 「気配を消さないでよー。心臓とまりかけた!」 って、存在感がないことについて怒られがちです。 おこ気味に「気配を消さないで」とリクエストされるけど。そもそも気配をかもしだす方法も、消す方法もわからないのですが。気配って自由自在にだしたり、しまったりできるものなの?忍者なの? ちなみにヌゥっと無言で突っ立っているわけじゃない。ちゃんと声をだしている。「私います!」って自己主張をしています。 あとは、人とよくぶつかる。 私は衝突を避けるため

          とりあえず世界のせいにする

          猫の落とし物でわたしは地上絵を描いた

          「みゅあー」 と鳴き声がした。 まるまるもりもりとした可愛らしい猫と目があう。 小学生。通学班のメンバーを待っていたときだ。 猫はわたしの足元までよってきた。 「かわいい子だね。どれ、なでてあげよう」 モフモフに触れたくてそろっと手を伸ばす。 しかし猫はわたしの手をかわし、くるっと回れ右をして、 無秩序に生い茂る草木のなかへぽてぽての体を隠してしまった。 追いかけて猫が消えた極小のジャングルをのぞく。 猫はわたしを待っていた。 少し歩いてはふりむき、 また少し歩いて

          猫の落とし物でわたしは地上絵を描いた

          愛をささやき続けた結果、土下座することになった。

          「君に棘はいらないよ。なぜなら僕が君を守るから」 そうサボテンにささやき続けたら、想いが通じて武装解除。見事に「棘なしサボテン」をつくるのに成功したというエピソードがテレビから流れる。 それを見て、ニヤリと不吉な笑みを浮かべたのは小学生のときだ。 当時の我が家には、お向かいのおじさんからゆずりうけたサボテンが20鉢ほどあった。 わたしはさっそく「俺が守る。愛してる」とつぶやきながらサボテンたちに水を与えるようになった。この時は、まだわたしの言葉に愛はこめられていない。

          愛をささやき続けた結果、土下座することになった。

          映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」ドンキーコングは宿敵だった。それなのに……

          マリオとその仲間たちといえば、わたしにとってゲームをクリアするための駒でしかなかった。 そして、そのゲームは2作しかプレイしていない。 ニンテンドーDSのマリオシリーズの何かと、スマホアプリの「マリオカート」のみである。 マリオらは、フィールドアスレチックやカーレースにて 「ウッホ」 「ヒャッハー」 「おう!いえ!」 などを叫ぶ以外にセリフがない。 なので彼らの個性を感じたり、好感度が上げ下げするようなきっかけがなく 「どのキャラなら不器用なわたしでも勝てるだろうか」

          映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」ドンキーコングは宿敵だった。それなのに……

          これが言霊の力ってやつか!

          中学時代は演劇部。 わが校の文化部のラインナップは少なく、 吹奏楽、英語、演劇の三択の中から 消去法で部活を決めた。 花形の吹奏楽部は練習が大変そうだから嫌。 英語部は「あれはリンゴですか?」「いいえ。トムです」 から先の英語力向上が望めないから無理。 そんな理由で演劇部が候補にのこった。 役を演じたいと思ったことはない。 早く家に帰りたいとだけ思っていた。 わたしの中学では、 吹奏楽部が部活動の頂点で 一目置かれる存在。 一方、演劇部は クセがある人たちの集まり

          これが言霊の力ってやつか!

          つらくても楽をしたい

          駅構内にある1台だけのATMが苦手だ。 操作をしているとき、後ろに並ぶ人たちからの 「いそぎたまえ。急用でないなら端末をわたしたまえ」という念を感じて緊張する。プレッシャーから手汗が川の流れのようにとめどないことになるのだ。 ATMは動作がもっさりだ。画面をさわってから、数字が表示されるまで時差がある。早くおわらせるため、画面を高速タップしてしまうと思いがけない数字の羅列が誕生してしまう。ここで焦って「始めに戻る」とかそれ以外のボタンにふれると 「もう一度最初からやりなお

          つらくても楽をしたい

          ホラー映画01「ウィリーズ・ワンダーランド」

          襲ってくるアニマルロボットたちを、無口な男が返り討ちにするはなし。襲う側も襲われる側も無慈悲という新感覚のホラーだった。 コメディ要素が強いので、ホラーが苦手でもエキサイトできる作品だと思う。またグロが苦手な方は、鮮やかな赤がブッシャアアしたら「イチゴジャムが飛散しただけ」と思いこみ、どうにか乗り越えてほしい。 たえる価値がある面白さなのだ……。 物語はニコラス・ケイジの愛車のタイヤが、トゲトゲのナニカによってパンクするところからはじまる。ニコラス・ケイジはトラックで通

          ホラー映画01「ウィリーズ・ワンダーランド」

          映画鑑賞記録02「コンクリート・ユートピア」

          ※ほんのり本編の内容に触れておりますので、お気をつけください 世界にどえらいことがおこる。唯一無事だったマンションの住民と、その周辺の無事ではなかった建物の住民のはなし。狂気に向かって舵を切ったときの集団心理のおそろしさが詰まっていた。 冒頭でマンションの一室から火が。命がけで消火した男が住民代表として抜擢される。男はのちのモンスターである。このときは「これで代表の座をゲットして、崇めてもらおう」なんていう下心はなく、くもりのない正義と勇気が男を鎮火へ走らせたのだと思う。

          映画鑑賞記録02「コンクリート・ユートピア」

          映画鑑賞記録「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて」

          新年1発目の映画は「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて」 ※ほんのりネタバレをふくんでおりますので、お気をつけくださいませ。 ・海なし県 生まれも育ちも埼玉の私。「翔んで埼玉」にでてくる埼玉県人ばりに海を切望している。 小学生のころは、通学路に海が欲しいという想いから、学校近くの住宅街の先には海があるという妄想を描いていた。中学にあがってからも妄想は消えず、9年間にわたり妄想の海辺を歩き続けたところ、潮風すら感じられるようになった。 さて。埼玉県人が悲願の海をゲットする第

          映画鑑賞記録「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて」

          目指すは高カロリーなコトバ

          幼稚園のころ。頭に柿が落ちた。 痛かったかどうかは覚えていないけれど、頭蓋骨が激しく揺さぶられたのは覚えている。その時に受けた衝撃が原因なのか、わたしは物事を深く掘り下げて考えるのが苦手だ。 わいの考えがペラッペラなのはぜんぶ柿のせいだ……! さらにわたしは会話も苦手です。自分の言葉が薄味すぎて恥ずかしくてたまらんのです。「マジっすか」「すごいですね」「なるほど」を擦り切れるまで、いや擦り切れていても使いまわしてしまう。 自分のターンになったらとりあえず話しだすものの

          目指すは高カロリーなコトバ

          映画をたくさん観たら、人生のシーズン2が幕開けした話

          ・すごい山田さんと、すごくない私 「山田はすごいな。お前はさ、もう少し頑張ろうと思わないの?」 同じクラスの男子が声をかけてきた。中学2年生の夏、私は心のなかで舌打ちをする。山田さんは学校のマドンナだ。勉強ができて、顔も性格も天使そのもの。くわえて運動神経も抜群で、さらに帰国子女なので英語がペラペラというハイスペックな女子である。 その山田さんを、なにからなにまで反転すると私になる。山田さんと私。まるで月とすっぽんのような私たちは、どういうわけか友達だった。 すごい山

          映画をたくさん観たら、人生のシーズン2が幕開けした話

          その言葉、セコムしてますか?

          ・はじめに わたしには、顔にたくさんほくろがありました。小学生のころ、同級生に言われたある一言がきっかけで、ほくろがコンプレックスになります。これは、言葉で心が傷つき、そして、言葉に心が救われるまでのお話です。おなじように言葉によって、心に傷をおったひとの救いとなるヒントになれたら嬉しいです。 ・沼地の「ほくろおばけ」 「ほくろおばけ」 これは小学生のころ、同級生からかけられた言葉だ。以来、「ほくろおばけ」は呪いに形をかえて、わたしの心の沼地に住みついてしまった。

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