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ドキドキが止まらない

 緊張するのである。

 元々あがり症だし。というか、あがり症って一体、いつどのタイミングで、自分はあがり症だと決めるんだろう。などとは思うけれども、いろんな場面で緊張するものはする。

 心臓がドキドキして、頭が真っ白。あんまり何かをしっかり考えられなくなって、頭が回らない。適度に緊張した方が、力は発揮できるとか、誰でも緊張するのは当たり前のことだとか言っても、うまく思考できなかったり、言いたいことを思い出せなくなったりしてしまうのは困る。たしか、ワーキングメモリーと言われる脳の機能(主に情報を覚えて操作する働き)は、過度な不安や緊張状態になると、働きが鈍るそうなので、通常の時より全然、うまく考えられなくなるのは仕方ないのかもしれないが。
 
 学生時代にすごいなぁと思ったことがある。全然見た目、緊張しているように見えずに普通に人前で話せる友人が「人前で話すのすごく緊張するんだよー」と言っていた時だ。そうか、実際は緊張していても、人には緊張しているように見せないこともできるのかというのが新しい発見であった。そして、緊張していても何とかこなす秘訣がきっとどこかにあるのかもしれないと思ったものだった。

 それから、何十年。結局、緊張しないということが、出来ないまま今に至る。年を取ると些細な事では動じなくなるって誰が言ったのか。相変わらず、行ったことない場所に行くのは緊張するし、久々に友達と会う時も緊張するし、好きなアーティストのライブに行くときもドキドキしている。なんなら、数年前から始めて毎週のように通っている習い事に行くのも軽く緊張する。
 
 緊張することに対する対処法は、緊張しないようになることを目指すのではなく、結局のところ、緊張するものだと諦めるしかないのかなと思う。良く言えばそんな自分を受け入れるということになるのだろう。
 
 ただ、自分の中の対処の仕方で、昔と違うことというと、緊張する内容や場について、昔よりも情報が手に入りやすくなったので、下調べをするようになったことと、今日、何をどうするかというリハーサルを頭の中でするようになったことだ。

 仕事の時もなるべく、帰る前に次の出勤日はどんな予定になっているのかを確認して帰る。そうやって、事前に心構えをして、こういう時はこんな感じでやってと、シミュレーションし、後は、成り行きに任せる(というか、今までやってきたことの積み重ねがあるので何となく対応している)。その繰り返しである。
 
 スポーツを続けている人ならどこかで聞いたことがあるかもしれない。「練習で出来ないことは本番ではできない」ということだったり、あとは、「身体で覚える」ということだったり。緊張して頭が働かない時は、その場でベストパフォーマンスを発揮した考えというのはなかなかできない。

 結局、自分がいつもやっていること、身に着けていること、考えなくても自然と出来ることが、出てくる。これは、なかなか真実に近いのではないか。スポーツなら身体が覚えるが、何かを話すときは、結局、何度も自分で話したことや、完全に理解していることが自動的に出てくるぐらいに、身に着けていることが大事なのだろう。それでも、難しいことはいっぱいあるので、メモを準備したり、話す原稿を用意したり。フリートークは、フリーと言いながら、きっと大まかな部分は、どこかで話したこと、感じていることが組み合わさっているだけで、完全なフリーではないのだろう。
 
 気心が知れた人との会話がスムーズなのは、緊張していないのだから、好き勝手に話せるのはそれこそ、当然のことで、そうじゃない場でうまく話せないのもまた、準備もしていなくて、場数も踏んで言い慣れていなければ当然の結果なのだ。
 
 そんなこんなで、5月19日(日)は、みことのカウンセラー三人で、スクールカウンセリングについて、専門家向けに研修を行います。もし、見る機会がある方は、あー、緊張しているというのはこういうことかと思いながら、観察してみるのも、また違った楽しみ方かもしれません。
                  (K.N)
 

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