愛の手帳の話

療育手帳を取得する事にした


診断が下ったときに心理士さんから
手帳を持つメリット　デメリットを聞かされ

メリット:各施設での割引や
公共の色々なサービスが受けられる
民間療育機関を利用するときに補助制度がある（色々手続きがあるけど）
とかとか

デメリット:主に気持ちの問題
世間体など


てことで
勿論各種割引や
公共サービスに目が眩んだ卑しき我が家は
即手続き！
早く博物館や美術館をタダでまわりたい！！
と不謹慎全開で手続きしにいった


ここで問題が起きた
「障害者本人の顔写真が必要です」
と書いてあるではないか
てっきりスピード写真で息子の履歴書みたいな写真を取らねばならないと思った私は
スピード写真に座らせて
ボタンをガチャガチャ押す息子
すぐに脱走する息子
奇跡が起きて座ってたとして
まっすぐは100%見ないだろう息子
変顔とかしそうな息子
がババババと頭を0.001秒のうちに脳を駆け巡り
無理無理無理絶対！と思って
区役所に電話で聞いてみた

「写真無理なんですけど」
「おうちとかで自然に撮った写真で結構ですよ」

と二つ返事で解消された

今はアプリで
証明書サイズにトリミングしたり
コンビニのプリンターで
色々なサイズを印刷できる
便利な世の中万歳


すると夫が
「おれがやっといてあげる！」
と息を弾ませて立候補してくれたので
おまかせした


が


コンビニでプリントしてきた写真は
飯を食って
米粒をたくさん顔につけた写真だった
「アホっぽくて可愛かった」
と犯人（夫）は証言しているが



いやいやいやいや
いくら普通に自然に撮った写真とはいえ
米粒はまずいだろ！
息子の名誉的に！！
しかしあまり頭ごなしに否定すると
夫が機嫌を損ねて
息子が機嫌を損ねるより数倍面倒くさいので
（息子は割とすぐ立ち直る 夫は半日はかかる）
「ちょっと私も選びたいなー」
とやんわりやんわり言った（つもり）りして
コンビニに向かった


しかし
フォルダー探してみると
見事に変顔が物食ってる写真しかない…
正面向いてる真面目な顔はほとんどないのだ
なんとかかんとか探し出し
一番真面目っぽい眠そうな
正面向いた写真になった
背景はクソ汚い我が家の台所だが…
もう仕方ない


申請から4ヶ月ほど時間がかかったが
無事に我が家に療育手帳が届いた
愛の手帳というらしい
早速無料になる動物園や
博物館に行きまくっている
プールもタダになったり
かなり割引になったりしている
本当にありがたい

色々な意見があるとおもうが
私は行動範囲内であれば
使いまくった方が良いと思う
いざ連れて行っても
嫌だ帰る〜などとグタグダになり
ダメならダメで
安かったり無料だったりしても諦めもつく
気に入ったら万々歳じゃないか



我が家ではすっかり
「息子ちゃんクーポン」と呼ばれ
クーポン券扱いになった愛の手帳

どこかの施設を利用するたびに提示
その度に息子の眠そうな顔と我が家の汚い台所を人に見せている

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