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【関西コミティア67】出張編集部に漫画を持ち込んだ話
こんにちは、mikomaです。
つい先日、とはいえもう3週間が過ぎていますが、関西コミティア67にサークル参加してきました。
今回は出張編集部へ持ち込んだ話をまとめたいと思います。
「サークル参加するんだから何としてでも行っておきたい!」と意気込んでいたのですが、メンタルに結構きましてですね…
なかなかレポに手を付けられなかったんですが、時間も経ったので、まとめてみようかなと思った次第です。
持ち込んでみての個人的な所感をツラツラ書いていきますが、一つでも何かの参考になれば嬉しいです。
1:受付
出張編集部とは、その名の通り、出版社の漫画編集部が会場に来て、直接自分の作品を見てもらえるという場です。
会場の角の方に専用スペースが設けられていて、各出版社ごとにスペースが用意されていました。
見てもらうには飛び込みで行くのではなく、まずどの出版社に見てもらいたいのかを選びます。
各雑誌やレーベルごとにA4サイズの面談シートが用意されていて、自分の持ち込みたいところの名前を受付のスタッフさんに申告します。
ど緊張状態ではありましたが、とりあえずお目当ての雑誌さんの用紙をもらい記入しました。
項目としてはこんな感じ↓
・氏名、年齢、住んでいる都道府県名
・これまでの出版社等への投稿歴
・今回、何を目的で持ち込んだか(商業志望、アドバイスが欲しい等)
・アシスタント体験をしてみたいか
これまで投稿はしたことがないので、正直にネットで個人的にアップしていると記入。
目的は、スキルアップのためアドバイスが欲しいと書きました。
過去のレポでアドバイスの加減を甘口・辛口の中から選べると聞いていたのですが、今回は違ってたみたい。
2:いざブースへ
必要事項を記入して、目的の雑誌さんのブースへ向かいます。ブース内には5〜6脚ほどのパイプ椅子が2列ずつに並べられ、編集部が構える長机に向かって座って待機。
面談シートには受付番号が振ってあり、その番号が早い順に面談が始まるシステムでした。
よし、待つぞ…と意気込んだものの、前の人が終わったタイミングだったのですぐに面談が始まってしまって想定外!!
まじかああー!と内心頭を抱えつつ、「お願いしまーす…」と軽く挨拶をして、面談シートと今回頒布していた自作の本を渡し、反応を待ちました。
ちなみにこの時持ち込んだのはこちら↓
ちらっと様子を伺うと、某バンドのベーシストっぽい如何にもサブカル系お兄さんが、私の本をまじまじと読んでいる…!この光景だけで全身の血の気が引いていきました。
心臓の音がバクバクとなる中、沈黙の2分ほどが過ぎてお兄さんが話し始めました。
「今日は持ち込み頂きありがとうございます」から始まった面談。
シートを見ながら「今回はレベルアップのためのアドバイスが欲しいとのことですね」と言われ、咄嗟に3年前くらいに描いたもので、最後の4ページは最近描いたものだと伝えると、「奥行とか輪郭線がしっかり描けるようになってますね」と褒められたが最後で、以後は改善点の陳列状態。
それもそうだ、アドバイスをくださいと言った上にずぶの素人なのだから。
3:いただいたアドバイスの概要
いただいたアドバイスは次のような感じでした。私の作品に対することなので参考にはなりにくいかもですが、持っていくなら最低限こんなこと言われる覚悟をした方がよいということをお伝えできればと思います。
●最初が分かりにくい。
●ファンタジーなのか現代なのかが分からない。妖怪がいるのが普通なのか、キャラがこう反応するのはこの世界的には当たり前なのかどうか分かりにくい。
↓
【分かりにくい要因】
①時系列があっちこっちにバラついている。
(冒頭:妖怪に追われるAを木から見下ろすB
→時間が少し戻って山に行くことにしたA
→今度は時間が進んで他の妖怪にイジメられるBのシーン…)
②誰視点なのかがはっきりしてない。
③世界観や、人物の行動の理由がハッキリしない。
(Aが妖怪に追いかけられているが、最初のシーンでは「やばい!逃げないと!」となっているのは分かるが、ただ追いかけられているだけで何故そうなったのか分からない)
④展開が早い
(もうちょい順序立てて、ゆっくり丁寧に組み立てた方がよいのかも)
●コマ割り
コマ割りを考える時は見開きで考えると良い。
次のページでどうなるんだろう、と見開きの最後のコマで思わせることが大事。
私自身、いろいろな漫画の指南書や講座を見てやってるつもりだったけど、プロには通用しなかったな…現実は厳しい。
●第1話の重要性
私が持参した作品はシリーズものの第1話と銘打ってまとめた本だったのですが、編集部曰く1話目で色々表現するのは難しいらしい。
1話は以下のいずれかを読者に味合わせるためにあるとのこと。
・世界観を理解してもらう
・キャラクターを好きになってもらう
・これから面白いことをやるよ!という宣言の場
あと、誰でも分かりやすくじゃないと、最近の人はすぐに読むのを脱落するらしいので、第1話って本当に難しくも重要な役割があるんだね。
4:まさかの空気階段
先程の話の流れで「チェンソーマンの第一話って見たことありますか?」と言われたものの、恥ずかしながら見たことがないので正直に言うと「そうですか…」と重い空気に。
次々と作品名を挙げられるものの、どれも通ってない作品ばかりで、なおもズーンと沈んだ雰囲気の中、編集さんがふと私の着ていたTシャツを見て言いました。
「空気階段のキングオブコントのあのネタってすごかったですよね」
まさかの空気階段Tシャツに反応があるとは思わなかった。
ちなみにこんな感じのTシャツ↓
何を隠そう、私は空気階段のファンだ。
ここ2年ほどの短いファン歴ではあるが、行ける範囲で単独や出演するお笑いライブにだって行く。ファンクラブにも入っているくらいだ。話がズレてすみません。
Tシャツを着て行ったのも、自スペースに来てくれた人やお隣さんか誰かとの、何かしらの会話のタネや印象に残ればいいなあ〜と軽い気持ちだった訳だが、まさか出張編集部で当たるとは…笑
編集さん曰く、2021年の準決勝ネタは最高の読切漫画とのこと。
ご存知の方もいるだろうが、火災の起きた雑居ビルを舞台に、いきなり後ろ手に縛られた裸の男2人が居合わせるところから始まるこのネタは、審査員だけでなく多くの視聴者に大きなインパクトを与えたことだろう。
冒頭で「この2人が一体どういう人物なんだ!この先どうなるんだ!」と一気に興味を引いた後、互いの言動からこの2人は風俗に通っていた警察官と消防士だったことが明らかになる。
この見事な導線は、漫画編集部から見ても感服とのことで、ファンの1人として誇らしくなった。やっぱりすごいんだな、空気階段って。
おまけに編集さん、後ろ手に縛られてるコントの登場人物の様子も、若干照れながらジェスチャーを交えて説明してくださいました。
本当、流行りの漫画読んでなくて申し訳なかったです。おかげで漫画の導入部分の見せ方がよく分かりました。ありがとう編集部のお兄さん。
5:その後
そんなこんなでとりあえず今日一番の目的だった雑誌さんの面談を終えて、次に某有名少年漫画誌の兄弟誌に持っていくことにしました。
再び受付に行って、面談シートをもらいます。
整理番号14って、意外と見せに行ってる人少ない?そんなことを思いつつ、面談シート書いて行ってみると面談中1、待ち2という状態。
席は空いていたので座ってみる。
なんとなく面談中の声が聞こえてくる。
世界観を伝えないと…一話目は難しい…。
あれ、明らかにさっき私が言われたことと同じようなことを言われているようだ。
時計を見る。スペースには13:40頃戻ると書いたのに、時計はすでに13:45と5分も過ぎている。面談中の様子をチラリと伺う。やっとさっきの人が終わったようだ。
って、だめだー。全然周ってきそうにない〜。
こちとら一般参加ではなく、スペースを構えているわけだから、こんなとこで悠長にしていられない。
折角ならと持ってきたわいいが、多分行っても同じことを言われるのがオチだと判断したため、待つことなく席を離れることにしました。
去り際、その雑誌のブースに用意された同人誌ボックスなるものを発見。
『入れた本はお返しできません。ご連絡する場合があります。』ってそんなのあるわけないけど、足跡をつける程度にはなるかと思って、そっと1冊入れてその場を後にしました。
ちなみに、ボックスを見ると私の他にはコピー本が一冊を入れてあっただけでした。
みんな意外と入れて帰らないのかな?
それとも編集部がちょくちょく回収するのか、案外無断で持ち帰られてたりするのか?なんて思いましたが、やれることはやったので良しとする。
6:出張編集部に持ち込んで気づいたこと
●印刷した原稿を持ち込む人が多い?
私が見た限りですが、オフ本を持ち込む人はおらず、生原稿もしくは原稿をコピー用紙に印刷してファイリングしたものを見せている方が多いように感じました。
オフ本見せてるの自分だけで、明らかに浮いてる感が否めなかった。もしかしたら時間帯によってオフ本を持ち込む方もいたのかもしれないけれど、持ち込むならファイリングの方が良いのかもしれません。
●持ち込む作品は短編や読切漫画が良いのかも
私が今回持ち込んだのは、シリーズものの第一話。自分では後々盛り込んでいこうとしていた世界観についてのご指摘が多く、内心「今から入れていくつもりだったんだけどな…」と思いながら何とも悔しい気持ちになりました。
いっそ持ち込むなら限られたページの中で世界観もきっちりと伝えられる短い漫画が良いのかもしれません。編集部さんとしてもその方が当人の力量も見れるでしょうし、デビューするにも読切漫画から始まることが多いでしょう。
何より短い漫画を描くことは、漫画を描く力のスキルアップにもなるし、自分のためでもあるように思います。
私自身、今回持ち込んでみて、読切とか単発の作品が必要だなとひしひしと感じました。
●毎回持ち込むのは精神的にしんどいかも
これは完全に個人差がありますが、私に限っては普段アドバイスを言われなさすぎて、結構精神的にキツかったです。
素人だからこそ好き勝手に作ってきた作品は、料理で言えば賄い料理。自分が美味しければ良いのです。
対して編集部や漫画賞に出す作品は、わかりやすい構成で万人受けすることが大事になるわけですから、個人が楽しいでは通用しませんね。
こんな感じで自分の持ち込んだ作品は、そもそもが場違いのような感じがしました。
今後持ち込むとすれば、今回言われたことを踏まえて描いた短編がいいのかなと思うのですが、とりあえず次回はやめとこうかな…というかそもそも商業には向かないんだろうな。
編集部からの言葉を気にしすぎちゃ筆が止まって二度と描けない気がするんで、この辺で距離を取ろうと思います。精神って結構ヤワですから、皆さんほどほどの距離感でやってきましょうね…
以上、人生初の出張編集部への持ち込みレポでした。ここまで書ききって、やっと吹っ切れた気がします。
これからは商業狙って気張らずに、自分のペースでやっていこうと思います。継続してやってたら何かあるかもしれないしね。
それではまた~!