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【文学部】結論を出す文章ではなく心地よく落とす文章

*今回の有料部分は意中の女性をホテルに連れ込んでセックスしたい人向けなので、興味ない人は買うと損します。

みこちゃん記す


「ゴルディロックス効果」など洗脳文章術に比べたら子供だましだ

 文章術の本でよく、いくつかの選択肢を用意して選ばせるのが良いと書いてあるものがあります。

 例えば、フレンチレストランに女性を連れてデートに出かけたとしましょう。老舗フレンのその店ではコースはフルコースのみで、基本的に単品から選ぶようです。しかしメニューを見ても何がなんだかよく分かりません。

 今度は会席料理です。こちらのお店はコース制で「松」「竹」「梅」のランク付けがしてあり、値段もはっきりと20000円、12000円、8000円と書いてあります。

 選択肢があって非常に分かりやすいですね。この例の場合、会席料理の方が女性の前でドキドキしないはずです。

 ちなみに、ほとんどの男性はここで「竹」コースを選択します。これは心理学上も「松竹梅の理論」(ゴルディロックス効果)と言いまして、人間は選択をするときに極端なものを避けるという傾向があるのでこういう結果になります。

 その時の男性のセリフも大体決まっています。

とりあえず、竹にしようか」

 微妙なニュアンスですね。一番安いのはケチだと思われたくないですし、高いのは無理していると思われるかもしれない。とりあえずという言葉の中にはっきりと、消去法で選んだという心理が丸見えになっています。

 しかしとりあえず無難に結論はでました。

選択肢を用意しても結論が出ない場合も多い

 では洗脳文章術にはいります。

 選択肢を上手に設計するのは腕の見せ所ではありますが、もっと良い方法があります。それは、結論を出さない方法です。

 例えばこんなシチュエーションです。これもデートのシーンにしてみましょう。午前中から映画を見て、お昼を食べて、ショッピングをしたら夕方になりました。これからどうしようか…というような感じを想像してください。

「ねえ、これからどうする。食事にするか、海を見に行くか」
「うーん、どっちがいいかしら」

 これは選択肢がありますので、親切のはずですね。でもこれは悩みますよね。

 ちなみに、親切でないデートの仕切り方としては「今日は何しよっか」です。あなたが普段あまり品行方正ではない場合、いきなりエッチなところに誘おうとしていると思われるかもしれません。

 選択肢をきちんと用意したのに、うまく答えてくれません。では基本に戻って「松竹梅理論」を踏まえて3つにしてみましょうか。

「ねえ、どうする。食事をするか、海を見に行くか、ホテルに行くか」
「うーん、どれがいいかしら」

 食欲と性欲という人間の欲望の基本欲求の間に、無難なデートコースを挟んでみました。

 男性はどさくさに紛れてホテルを入れたようですが、やはり結論は出ないようです。というより、さっきより選択肢が増えてよけい面倒になっています。

選択肢を3つ揃えているのに結論が出ないですね。

選ばせるよりもっと効果的な文章術それは洗脳である

 洗脳文章術による解決方法はこれです。

「ねえ、これからどうする。食事をするか、先に海を見に行くか」
「うーん、どっちがいいかしら」

最初にさくっと早めの食事にすれば、車を飛ばして後で港で夜景が見れるよ」
最初に海に行けば、後で落ち着いて豪華なコース料理でも食べられるね」

いずれにしても君の思う通りにするよ」

 これですと、どちらを選んでも女性は満足するでしょう。最初の選択肢の場合には、どちらかを諦めるという消去法を使った結論を迫っていたのです。

 しかし改良版では、食事も海も両方とも叶えられますので、消去法でどちらかを落とす必要がないのです。

 言いかえれば選択肢を2つ用意して女性の言いなりになっているフリをしていますが、その実その選択肢は同じことを言っているのでどちらを選んでも男性の側の思うがままですね。

 ここに見た目の選択の自由を与えつつ、その裏で真の意味での選択の自由を奪っているという洗脳が隠されています。

 女性の答えはもうおわかりだと思います。

「どっちでもいいわ。あなたが選んで」

 きっと素晴らしい選択肢を考えてくれた彼氏に上機嫌のはずですね。

 しかしここで、女性は上機嫌に、見た目の選択の自由すら相手に差し出してしまったことに気がついていません。洗脳されてしまったので奴隷状態なのですが自分は女王様のように慈悲深いと錯覚していることでしょう。

 そう言わせたのは「いずれにしても」の洗脳文章術でした。

 選択肢を用意しているのですが、結論を出すことを最高度にポジティブに禁止しているアクロバティックなテクニックです。

 消去法を消去してしまう魔法であるとも言えるでしょう。

 この選択肢は女性にとって、迷うことすら楽しくてしょうがないですね。

【まとめ】おまけスペシャル

「いずれにしても」これが今回の洗脳文章術の正体でした。

 最後に今回の洗脳文章術悪用版を教えましょう。
 ( ̄▽ ̄)ヒヒヒ。

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