【遺稿シリーズ】カラスの旅立ち
みこちゃん家の書道具入れから、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので掲載しました
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ある朝、川辺のほとりに行くと、カラスが身を隠すようにして水を飲んでいた。
カラスの死骸はだれも見たことがないという。
カラスは自らの死を感じると身を隠す。
そのカラスは、今にも死にそうに見えた。
見てはいけないものを見たような気がしながら、そっと遠くからカラスを見ていた。
やがてカラスは水を飲み終わり飛んでいこうとした。
しかしそこでほんの少しだけ飛んだ後に
地面に落下した。
動かなくなった。
自分は動かなくなったカラスを確認しに行った。
カラスは死んでいた。
口を開けていた。
その口に清流から両手で水を汲んでそっと注ぎ込んだ。
不思議なことに水は溢れることなくカラスの中に入ったようだった。
カラスが笑ったよ。
ありがとって聞こえたよ。
正しいことをしたのかどうかは分からない。
でも喜んでくれたようだった。
カラスには断りもなく、遺体は穴をほって大切に弔って手を合わせた。
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嘘ですみこちゃんのオリジナルでしたー(^-^)
第九回目は! 宮沢賢治でしたー