見出し画像

サンドイッチマン風ネタ~車掌

(伊達ちゃん登場 お客さんきゃーパチパチー黄色い声)

「お休みのところ大変失礼いたします。これから切符を拝見させていただきます」

「あ、車掌さんもう来ちゃったよ。まずいな、なんとかなるかな…ただでグリーン車不正乗車してるんだよな…」(富澤さん)

「JAPAN RAIL PASS…外国人ならグリーン車乗り放題。友達のアメリカ人が早めに帰国したからもらったんだけど…」

「使っていいよって言われたから使って旅行したはいいけど、バレたらどうしよう…グリーン車のお金払うと、帰りの電車賃がない…終点の博多で暮らすことになってしまうな…ああ来ちゃった…」

「切符を拝見させていただきます」

(富澤さんおずおずとJAPAN RAIL PASSを見せる)

「Passport please.」

「パスポート!やばい持ってないよ。なんだよ、持ってないってなんて言うんだよ」

「passport please.」

「わたしの名前は、マイクデービスです」

「You can talk with me in English.」

(やべえなあ英語わからないし…)

「緊張しておしっこがもれそうです」

「日本語で話しましょうか」

「はい、日本語をベンキョ中です」

(伊達ちゃん頷く)

「アリガトゴザイマス」

「どちらから来たんですか」

「ええと大田区です」

「大田区にお住まいで...」

「は(゚0゚)やべ。違います。ペンシルバニア州カラです」

「ほうほう、大田区にペンシルバニア州というのがあるんですか」

「いえ本物のペンシルバニア州です」

「日本人みたいな顔をしていますね、純粋な…」

「いえ日系二世なんデス」

「それで日本語もたどたどしいんですね」

「イエイ」

「どちらまで行かれるんですか」

「行き先は博多ですね。そこから乗り継いで長崎に行こうと思っています。長崎には隠れキリシタンだったペンシルバニア州の先祖の宣教師のお墓があるんです」

「意外と日本語お上手ですねえ」

「は(゚0゚)やべ」

「おかしいですねえ、あの時代アメリカの宣教師は日本になんてやってきていませんよ」

(あ、やべえ、墓穴を掘ってしまった…)

「ところで車掌さん、ひとつ聞いていいですか。あの…」

「はいなんでもどうぞ」

「車掌さんどうして和服を着ているんですか」

「最近は外国人のお客様も多いですからね。和服を着ることもあるんですよ」

「でもそれでも…なんでビールケースに乗っているんですか」

「君は私のことを知らないかな」

「いえ知りません」

「萬と申します。萬みきお知りませんか。わたしは演歌を歌っているんですよ」

「車掌さんじゃないんですか」

「ええ。世を忍ぶ仮の姿ですね」

「それって…デーモン閣下…」

「おや、随分日本の文化に詳しいんですね。普段ペンシルバニア州に住んでいるのに。
ではそんな君に歌おうか?歌ってみせようか」

「私はこうやってね、日本全国津々浦々を旅しているんですよ」

「え!車掌さんのお仕事じゃないんですか」

「ええ、こうやって新幹線に乗って全国を回って歌っています」

「ええ、萬みきおと申します」

「この間友人にJAPAN RAIL PASSをもらいましてね。それでこうしてグリーン車に乗って旅をしながら演歌を歌っているんです」

「それって悪いことしている仲間じゃないですか」

「ええ。そうも言えますね」

「車掌さんじゃないんですね」

「萬、萬みきおと申します」
(伊達ちゃん握手を求めるがシカトされる)

「それでは私は行きますよ。実は私、改札を入ったあとにJAPAN RAIL PASSを紛失してしまいましてね」

「それは…大変ですね」

「ええ」

「JAPAN RAIL PASSがあったので手持ちの現金はほとんどないんですよ。クレジットカードもありませんしね」

「それは…大変ですね…どうされるんですか…」

「まあなんとかなりますよ。私には歌がある」

「…そうすか…」

「では私はそろそろ行きますよ」

「あ、はい」

「がんばれよお前、いい体してるんだし」

「あ、はい」

「じゃあな。車掌とは上手く対応しろよ」

「ありがとうございました...変な人だなあ。いい人だか悪い人なのか分からなかったな」

「はああ。疲れた...あれ!(゚0゚)
JAPAN RAIL PASS!!!
検札したまんま持って行きやがった!
あいつ!」

(ホームアナウンス)

「ひかり177号扉が閉まりまーす。」
(ぷるるるるー。ホームから発車音)

「あ、あいつがホームにいる!手を振っている!!あいつ!」

(車内アナウンス)

「ひかり177号が今発車しました」

「発車しました!」(富澤さん)


いいなと思ったら応援しよう!