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【遺稿シリーズ】幸せの衣

みこちゃん家のDVD棚から、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので掲載しました
(゜0゜)

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蜀の都のその先に、小さな村があった。

朗らかに笑う乞食がいて、子供たちに人気があった。

ある時乞食はこういった。

「昔な、こんなことがあったんだよ」

「この世でいちばん幸せになりたい」

「こういったら、家来の中のひとりがな」

「古来から一番幸せだと思われている男の衣服をまとえば幸せになれると、言われています」

「こう言った」

「探させた」

謁見した。

男は身にまとうものなど一切なく

「幸せです」

と前歯が抜けた口を開いて笑ってくれた。

「それでおじさんは服を着ていないんだね」

取り囲んでいた少年のひとりがそうつぶやいた。

「寒くはないからね」

目を馳せるように乞食は遠くを見た。

この上なく高貴な眼差しで、紫禁城のある方向を見ていたようだった。

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嘘ですみこちゃんのオリジナルでしたー(^-^)
第十五回目は! 中島敦でしたー


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