「読書感想文企画」応募作品です! 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』
新刊書は基本的に大書店のカフェで、コーヒーの一杯代金で読むものだと決めている、ケチケチみこちゃんですが、めずらしくこの本は表紙を見ただけで買いました(爆)。
ハウツー本や、こうした軽い読み物買うときって「タイトル」ってめちゃくちゃ重要ですよね。「あ、それあたしがいいたかったことだ!」こう思った瞬間にもう、最後まで読んだ気になってしまう。
そういう意味で、今回「みこちゃんの読書感想文企画」に、別の方から別の切り口で複数書評されているこの本、これもまた、タイトルが秀逸です。
「ああやっぱり、そうだったんだな。よくぞ言ってくれた!」これで買いです。
実際この本は、悪いけど最後まで読んでも、タイトル以外中身は大したこと書いてません(爆)。でも、この本のファンの人は、とにかくやる気にさせてくれる。この本を読むと書けそうだという元気がもらえる、と大満足です。ハウツー本は人生の真理を探求する高尚な本ではないのですから、それで大正解だと思います。
みこちゃんもこの黄色い本をそんなふうに手に取りました。「そうそう、しょせん人生は実力じゃねえよな」と、夕刊フジを駅のスタンドで買うようなつもりで買ったのですが、いい意味で期待は裏切られました。
冒頭は、イケメンの政治家の方が得票率が高い、などというあまり面白くない出だしでした。これだと、このたぐいの本と同じになってしまいますよね。これもベストセラーだったのですが、これは読む前から中身がわかってしまったので、買いませんでした。
これはまさに、イケメンの政治家の方が選挙に通るとか、美人の方が生涯賃金がめちゃ高いなどの本です。うすうす分かっていて、やっぱりそうか、にしかならないので、読んでいてつまんないっす。
この本は、この不遜な顔をした小僧が振り向きざまに、ニヤリとしているように「だったら錯覚資産うまく使ってのし上がっていこうぜ」という本なのです。
言い換えればこの本は「あなたも今日から使える、錯覚資産!錯覚資産で人生を10倍楽しくしよう!」なんです。面白いでしょ、こっちの方が!
(^~^)
著者は錯覚資産を使った人生とは「わらしべ長者」であると言っています。言い得て妙ですね。言い換えればこれは、人生の波をうまく捉えることが大事であり、その波をうまく戦略的に組み立てて運用していけば、錯覚資産でも十分本物の資産足りうる、ということを豊富な例を引用して説いているのです。
例えば、甲子園出場経験。仕事にまったく関係ありません。しかしこんなシーンを考えてみてください。ある商談をまとめようと、若手サラリーマンが自分の上司を同席させて、相手の商談相手と会議の場所を設定する。この場合、相手の方がこの仕事を契約した違っている、上司は社歴も大したことのない会社との取引をあまり望んでいない。こんなシチュエーションと思ってください。
間に立っている営業マンと、契約を成立させたがっている担当者は高校時代の友達です。なんとかこの仕事をまとめてあげたい。将来有望だから自分の実績にもなるはずだ。そう思ってがんばっていましたが、どうもうまくいかない。
会議が終わって部長の感想を聞くと「担当者が若いねえ。彼でこんな巨大な商談まとめられるんだろうか」。ともっともな言葉。そこで、必殺の武器を出します。
「彼ああ見えても、甲子園球児で4番エースピッチャーだったんですよ」「ほほう」。商談となんの内容的に関連もないのに部長は彼を見直したようです。「それから、独学でTOEICも満点だって言っていました」「ほうほうすごいね」これだってそうですね。取引内容と関係ないですが、相手への印象がまるで変わってきました。
「一度、彼の直属の上司を一緒に連れてきなさい」と部長の態度が変容。
これが、錯覚資産です。
その彼は自分の会社にとっては破格の大きな商談(零細スーパーが三菱商事と直契約するような感じかな?)をまとめて、社内でもスター扱い。専務のお嬢様とおつきあいするようになって、めでたく結婚。専務は予定通り翌年社長に就任し、彼にはバラ色の未来が待っていた。
始まりは、全て錯覚ですが、とんとんびょうしにわらしべ長者人生を送るときはこんなものですよね。
この本は、この一見偶然のラッキーに見える背後に、どのようなメカニズムが働いているのかを、ノーベル経済学賞のダニエル・カーネマンや、心理学で定番中の定番の学説「ハロー効果」などを駆使して、解明していきます。なにより、著者のお人柄なんでしょうか、いちいち具体例にそこはかとないユーモアが漂っていて、まさにみこちゃん好み!!!
実は、久しぶり似この本を取り出したのにはわけがあるんですよ。みこちゃんの暴れん坊ツイッター(分かる人には分かる……ひひひ)で、真面目にご紹介したんですが、えらてんさん=えらい店長さんという人のこういう著書があります。
えらい店長さんは、この本の中で、家賃を払って住むところ借りるくらいだったら、頑張って保証金払って店舗借りて、そこに寝起きしなさい。そこからあなたの大事な人生の転機が始まる!みたいなこと言っているんです!
ちなみに、この本も感動した本でして、ツイート連発してたら、えらい店長さんがリツイートしてくれました(^~^)。
ここから、えらいてんちょうさんと仲良くなったら、みこちゃんも、目の付け所がいいね!みこちゃん!ってな「錯覚資産」でのし上がっていくことができるかも。まだえらてんさんをフォローしていなかったので、いまこの原稿書きながらフォローしました。錯覚資産を楽しみに(爆)。
というのは冗談ですが、センスのあるひとは、別のこと言っていてもだいたい似たようなことを結局言っているんだよなあ、というみこちゃんの持論も確かめられて、とてもよい読後感でした。
思考回路や、ポジティブなインスピレーションの連鎖。これにもまた「錯覚資産」ってあると思うんですよね。積極的に思ったこと、そして読書感想文書評を発信することで、そこから「おお!目の付け所がいいね」と(実はそれほどでもなく思いつきで書いただけでも)錯覚資産が広がっていくというのは確かにあると思う。
いい意味で予想以上の本だったが、一方でまた予想通りの結末もしっかりあった。著者はやっぱり偽悪家ぶって、私達にとても大事なことを教えてくれようとしていた。その冗談のセンスが分かる人は、書店で見かけたら衝動買してみてくださいね。
きっと、買ってよかったと思うはず!(^~^)。
読み終わった本は、ぜひ、タグを付けてこの企画へ!