おじさんからオシャレを学ぶ
先日、駅を歩いているとスッと横を通り越していった人がいた。
その人は黒いローファーにニーハイ、黒のレザーのショートパンツを履いており、金髪ロングの後ろ姿が非常に綺麗だった。
何より、あまりの美脚に同性ながら見惚れていた。
ニーハイにショートパンツだと足が綺麗に見えるのか、なるほど、と綺麗な後ろ姿からファッションを学ばせて頂いていた。
また、その人は髪の毛が非常に綺麗だった。
私は自分の軽く癖がかかったパサパサの髪と見比べ、何のシャンプー使ってるのかな...などと考えていた。
駅に電車が滑り込んできた。
座れるかなーなどとぼんやり考えていたら私の前に並んでいたその人が急に振り返った。
私は非常に驚いた。
なんと、おじさんだったのである。
「!?」
一瞬振り向いただけだったので見間違いだろう、と思いながら同じ車両に乗り込んだ。
見間違いじゃなかった。
しかも、見れば見るほどよく似合っているのである。
「!?」
私はおそらく今までの人生で1番綺麗な2度見をしたと思う。
本当によく似合っている。
女子高生が読むような雑誌に出てきそうなくらい素敵な着こなしだった。
おじさんは次の駅で降車した。
いなくなったおじさんに思いを馳せる。
すると私は最初、おじさんから着こなしを学んでいたことを思い出した。
おじさんからオシャレを学ぶことになるとは...
私もまだまだだな、と感じた夜だった。